社員が勝手に育っていきます。K社長が手に入れた、人が勝手に育つ仕組みの正体とは?
K社長は、言いました。
「社員が勝手に育っていきます。」
この日は、クライアントにご協力頂いての「お客様の声」のインタビューです。
K社は、複数の福祉施設を展開しています。直近にも3拠点のオープン予定があります。
インタビュアーは、この言葉の意味をすぐには、理解できなかったようです。
「社員さんへの教育は、どのような取組みをしているのですか?」
K社長も、このインタビュアーの質問の意図が解らなかったようです。
ゆっくりと、繰り返します。
「ほんとなんです。社員が勝手に動いて、勝手に育っていくのです。」
そして、助けを求めるように私の目を見ます。
「人を育てることはできますか?」
この質問に答えるのは、本当に「嫌」なのです。
ある人には、「はい、出来ます。」と答えます。
また、ある人には、「いいえ、出来ません。」と答える必要があります。
この様子を周囲から観ている人は、「矢田先生は、一貫性がない」となってしまいます。
実際に、私たちは、子供を育てています。その結果、社会に役立つ人を送り出しています。
家庭、そして、学校という環境によって、子供は立派な人に育つのです。
そして、その「出来」には、大きな差があることも事実です。
ある家庭で育った子は、立派な職業につき、幸福な人生を送ります。ある家庭で育った子は、ろくでもない人生を送ることもあります。
また、ある学校では、自分の個性を発揮して、伸び伸びと育っています。その一方で、ある学校では、子供が委縮しきっていることもあります。
ここから人が育つということの、二つの原則が見えてきます。
一つは、「人は、そもそも育つ力を持っている」ということ。
そして、もう一つは、「その出来の差は、環境に寄る」ということ。
これが、原則なのです。
その一方で、「日本の教育は成功していないのではないか?」という意見も聞こえてきそうです。
子供の幸福度ランキングでは、日本のランキングは低く、「自分の未来に対して非常に悲観的」というレポートが出ています。
そして、社会に出てくる人は、個性に乏しく、元気が無い傾向にあります。確かに、発展途上国に見られるハングリー精神は無いように感じます。
この原因は明確です。
いまの日本国が行っている教育の目的が違うからです。
優秀な人材をつくる、この時の「優秀」の評価軸とは何でしょうか。
それは、「国が扱いやすい人」となります。
「国の流す情報をそのまま信じること。そして、真面目に働くこと。そして、文句も言わず納税すること。決してデモなどはしない。」となります。
そう、愚民化政策です。
その一方で、レールに乗れない人は、上にあがれないように出来ています。
「教わったことを、そのままアウトプットすること」が苦手な人には、最悪な環境になります。元気が良くて、反抗精神を持つなど以ての外です。
そんな人が、この社会で成功しようと思うと、選択肢は一つしかありません。「自分で事業をする」、これしかないのです。
その結果、社長という人種は、皆さんのような、「変な人」ばかりになるのです。(笑)
国がそういう目的を持っていることを前提とすると、非常によく出来た「教育システム」と言えます。
見事に、今回のコロナ禍では、それが活かされたのです。
閑話休題
そうなると、私たち企業がするべきことは、自ずと決まってきます。
「環境を整えること」となります。
社員が自分で学ぶことができること。
解らないことを、自由に調べられること。それも、自分のタイミングで。
疑問に思ったことを口に出していいこと。
そして、望む者には、もっとチャレンジングなテーマが与えられること。
これが、我々がつくる環境です。
これが、我々の教育システムなのです。
そう、これらは、すでに我々が持っているものなのです。通常の経営の取組みの中で、出来上がってしまうものばかりなのです。
方針書やマニュアルがあれば、社員は自分で予習も復習もできます。また、それを使って社員同士で、ディスカッションをして、改善することもできます。その改善の方向性は、経営計画書をみれば解るようになっています。
会社の未来の方向性が解るのです。そして、その改善のサイクルのPDCAは回されています。
この「普通」であり、「会社としての当然」の機能を獲得すれば、「人が育つ仕組み」は、自然と完成してしまうのです。それは、「特別な何か」では無いのです。
「人を育てることはできますか?」
私が、この質問に答えるのが「嫌」な理由はここにあります。
この当たり前が解る人には、これは当然のことなのです。そして、これが見えない人には、全く通じない話となります。
その結果、前者には、「はい、出来ます。」と答えることになります。その一方で、後者には、「いいえ、出来ません。」と答えることになるのです。
後者は、次のような言葉を発します。
「今期の重点目標は、人材育成です。」や「管理者育成に力を入れます。」
これで、人が育つことは無いのです。
K社長は、見事にこれらのものを作り上げました。
その結果として、大まかな年商の伸びは、前期2億、今期4億の着地予測です。そして、来期の7.5億が見えています。
これだけの伸びです。
社員が育っていかなければ、間に合いません。
それが、出来ているのです。十分に間に合っているのです。
インタビューの最中も、壁の向こうから、社員の話し合う声が聞こえてきます。何かのマニュアルの変更案を作成しているようです。
「人が勝手に育つ」、そのK社長の言葉に、インタビュアーは、何か「秘訣」でもあると思ったのでしょう。
それを聞き出そうと試みます。
しかし、K社長からは、何も出てきません。ただ、同じことを繰り返すだけです。
「いや、本当に勝手に育っていきます。自分達で、勝手に動いて、勝手に育っていくのです。」
私も、少し補足の説明をします。しかし、きっと解らないだろうなと思いながら。
このインタビュー記事は、近日中に公開させていただきます。このニュアンスが、どのように表現されているか、楽しみです(笑)。
驚くことに、K社長は、このプログラムを、8か月で終了しました。
通常では、一年と少しかかるものです。
K社長から、こんな言葉を頂きました。
「あの動画、繰り返し見ました。徐々に、自分の考え方が変わってきたのを感じます。」
このコロナ禍で、当社のコンサルティングの提供の仕方も大きく変えざるを得ないことになりました。年商10億の基本的なノウハウを、動画で提供するようにしたのです。
クライアントは、年商10億の基本的な考え方、そして、具体的な構築の仕方が、繰り返し見られるようになりました。そして、オンラインでの面談でフォローします。それにより、更に理解を深めることができます。
自分のペースで勉強し、次に進むことができます。
やる人にとっては、物凄くよい環境を整えることができたのです。
(過去のクライアントは、対面で一回説明するだけですから、大変だったと思います。それも、聞いたことが無い理論ばかりですから。ペコリ)
当社も、経営者が自分で成長できる環境を提供していたのです。
K社長は、非常に勉強熱心です。そして、頭の回転も速く、実行力があります。
だから、勝手に育って、勝手に成果を出していきました。
インタビュアーは、最後の質問をしました。
「K社長、コンサルティングの一番の成果は、何ですか?」
K社長は、少し考え、答えます。
「一番は、事業の作り方が習得できたことです。もし何かあって、今の事業がゼロになったとしても、また、すぐに立ち上げ戻すことが出来ます。その自信があります。」
インタビュー中、私は、K社長の言葉を聞きながら思っていました。
「また、私は、化け物級の経営者を目覚めさせてしまったなぁ。」と。
(まとめ)
- 人は育つ。絶対に育つ。人は育つように出来ている。
- その欲求に応えるべき、環境をつくること。それが、企業の「人が育つ仕組み」。
- それは、今の取組みの延長で獲得できる。必ず。それも8か月で。
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