店長が強く指導できないままの企業が伸びていくわけがない
3月16日福島県沖の地震が発生しました。
私はあまりの揺れに思わず外に飛び出てしまうほどでしたが、幸い自宅に被害は無かったので一安心でした。ただ気になったのことはビジネスへの影響です。最近移動が増えているので「支障が出なければいいが」と思っていたところ東北新幹線が使えなくなったとのことで残念ながら別の手段を取らなくてはいけなくなりました。
ただ今回の件を別の視点から見てみますと、あれだけの揺れにも関わらず脱線した新幹線利用者のケガ人が0人とは凄い事です。
調べてみると2020年にはJR東日本が東北新幹線は最高時速260kmの東北新幹線盛岡―新青森間を、最高時速320kmに、上野―大宮間を時速110kmから130kmに向上させると発表していました。
日本は地震が多いからスピードを抑えようという姿勢ではなく、スピードも業績も上げていくには?という両立に突き進んでいて、実現できているところが素晴らしいところです。
この姿勢と結果は、日に日に過酷な条件が重なっていっている多店舗事業の経営においても参考にできるもので、他社を大きく突き放し続けられている企業の共通点でもあります。
先日ある経営者2人と計3名で食事をしていた時の事です。
業績が好調のあるチェーン企業の社長がこうおっしゃいました。
「今日の昼、人気の〇〇チェーンを利用してきたんですけどね」
「さすが〇社。コロナはどこ吹く風と言わんばかりの大賑わいで、行列が何人もいました。一人でも気兼ねなく豪華な食事ができるという発想は簡単に思いつきそうで誰もが思いつかないから凄い」
「ただ気になったのは店内ですけどね。 まぁ汚かった! テーブルや椅子はよく見ると汚れが目立つし、壁や窓にも視線を向けてみると壁には油汚れが、窓は何カ月拭いてないの?といった具合でひどいもんでしたよ」
せっかくお客様に提供する料理の管理に十分に気を付けていてもあんなんじゃ「この店、いやこの会社、果ては今注文して食べている料理は大丈夫なのか?」とまで見られちゃう。 いや~一人で行って良かった。奥さんと一緒にきてたら確実に「もう来たくない」と言われてたでしょうね。
「しかも呆れたのは昨日、今日の汚れじゃないんですよ。まるで何日放っておいたんだ?という頑固な汚ればかり」
「コロナ禍、さんざ暇だったろうに一体その間は何やってたんだ!」と代表が私だったらまぁ許しませんね」
店の店長呼んで「君さぁ」と言いたくてしょうがなかった。
それを聞いていたもう一人の社長は
「いや~〇〇社長、店長はスタッフに言いたくても言えないんじゃないですか?」
だって今、密もダメって言われてるでしょ?
昔と違ってクビにもできないし、サービス残業もさせられないし、挙句にちょっと机叩いただけで「それパワハラですよ」なんて言われるんですから。
更に人手不足の時代ですから、スタッフのシフトを減らそうとしても困るのは会社側じゃないですか。
「いやいやいや、だからといって指導する側が下手に見られたらやっていけませんよ」
もしうちの会社にスタッフに強く指導できずに苦悩している店長がいたら「さっさと辞めてもいいよ」と言ってますね。
さすが利益を上げ続けられている社長だと思いつつ、私も「あれもこれもできない時代になってきましけど、やっぱり指導する側が主導権を握っている企業は強いですよね~」
「こんな時代にその手があったか!」と唸りたくなる方法、手法は必ず探り当てようとして、得られてますからね。
コロナ発生前からまん延防止解除となった今に至るまで、聞き手側の社長がおっしゃったように多店舗事業の各店長は指導どころか「この仕事お願いできる?」などスタッフに対して下手に出てしまいがちです。
「今、時間ある?」とご機嫌を窺うことから始まり、ここぞという時でも「今週末シフトに入ってくれると助かるんだけど・・・」などお願いスタイルで主導権はスタッフに握られたままです。
こんな経営状態の延長線上には業績拡大へのルートは存在しません。
なぜなら経営の次なる一手の精度が上がっていかないから。
・寒い日だからこれを売れ! 本当に売れるんですか? 私は別の商品を売ります。
・天気がいいからあれを売れ! 気が向いたらやります。 こっちを売ります。
こんな調子では「寒い日には一体何が売れるんだ?」と打ち出した方針が合っていたのか? 間違っていたのか?がわかりません。
一方、全社員、全スタッフが方針に沿って忠実に動いてくれていますと
・寒い日だからこれを売れ! ハイ!
・天気がいいからあれを売れ! わかりました!
「そうか、寒い日にはやっぱりこれが売れるんだな」もしくは「これは売れないんだ」がハッキリと結果になって出てきます。
だからこそ「今回の一手はうまくいった、次はこうしよう」「ダメだったから変えよう」と着実に企業としてのトライ&エラーを積み重ねていくことができるのです。
組織は全員が一丸となって動けて初めて新たな次の活路が見えてくるもの。
・地震が多いのなら、その上でどうしたら更なる安全を確保できるのか?
・マネジメント環境が過酷なら、その上でどうしたら主導権を握ったままでいられるのか?
伸びていく企業には「ここは譲れない」といった素が必ず存在します。
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