新しい知恵を求めるなら
私は大学や高等専門学校で講義をしている関係上、支援先企業に学生のインターンシップを引き受けてもらうことがあります。企業側の思惑としては、人材確保につなげたいという部分が大きいのですが、採用活動を超えた社会貢献としての取り組みに加えて、自社のありようを写す鏡のようにインターンシップを使われる例もあったりと、さまざまなプラスの効果を引き出してくれています。
先日も、とある支援先で短期のインターンシップを受け入れてもらう事例がありました。今回は技術系の学生3名をチームとして受け入れてもらったのですが、わずか数日の滞在であったにもかかわらず、学生たちが工場側も舌を巻くようなするどい目の付け所による提案をしてくれるという嬉しい成果がありました。
会社側としては早速その提案を取り入れる方向で動いてくれることになったのです。
たかが学生と侮れないのは、学校で習った「あるべき論」を、どのようにすれば現実化できるのか?というシンプルで強い問題意識を持っていることに加え、会社側からすると「当たり前」になってしまっている工程や機器の配置、段取りや様々な運転管理指標についても「はたしてそれで良いのか?」と、本気の見直しに取り組んでくれることです。
もう一つ、成果につながった理由だと感じられたのはチームが3名であったことです。通常、学生のインターンシップは単独で行われるか、複数名であっても各人に異なる課題が与えられて一人ずつ成果を追究する、と言うパターンが多いと思いますが、会社側の指導員1名に対して学生3名だと、現場で遭遇した様々な疑問への回答を「当たり前」の説明では納得しない学生が誰かしら出てきて、そこから議論が始まることで洞察が深まるというプロセスが繰り返し発現されたのです。
仮にこれが一人もしくは3名でも一人ずつのプログラムであったなら、現場でうっすらと感じていた疑問も、課題と時間の関係でスルーされてしまっていたのではないかと思われます。
今一つの効果的な要素は、事前に会社の問題意識や考え方をしっかりと聞けていた事が大きいと思います。学生側も会社のビジョンやミッションを具現化するために、というマインドで現場を見ることができたことで、会社側のツボに刺さる提案ができたのだろうと思います。
そして何と言っても、普段会社にはいない「外の目」「若いアタマ」と言う要素は大きかったと思います。会社としても今後の人事計画を考える上で参考になる事例だったことでしょう。
以前からコンサルタントとして「受け入れて終わり」「提案を聞いて終わり」のインターンシップにならないよう、学校側との関係づくりなどのフォローアップに務めてきたのですが、今回のような効果が出て来ると、会社との協議も進めやすくなります。
3人のチームによる課題解決型のインターンシップにご興味のある方は、ぜひ当社までお問い合わせください。若い頭脳の活用に積極的な会社を当社はいつも全力で支援しています。
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