ブランディングに必要な「削る」と「尖る」・・・そして「磨く」
「とにかく仕事が山のようにあると安心するんですよ」・・・いつもお会いする経営者の、いつものセリフです。とにかくこの方は常にお忙しそうにしていらっしゃいます。会社におじゃますると、社員さんも皆さん社内を走り回っています。
売上も順調に伸びていて利益も安定的に出している企業さんで、傍目に見ると羨ましい限りですが、実は社員の残業時間が多く、忙しすぎて体調を崩す方もポツポツ・・・。残業が日本一少ない、休みが日本一多い、売上目標や営業ノルマがいっさい無いなど、「日本一社員がしあわせ」と話題になっている岐阜県のとある企業さんとは正反対の印象です。
企業にはそれぞれの経営者の考え方や方針があり千差万別ですが、きっと多くの経営者は社員にしあわせになってもらいたいと願いながら日々経営をしていらっしゃるのではないでしょうか。そのための売上確保(イコール仕事量の確保)、そして経費を節約して会社にお金を残したい・・・のでしょうが、懸命に仕事を増やしていく中で実は気付かないうちに仕事の幅が広がっているものです。言い換えると、広げてしまっている、という方が正しいかもしれません。
私がよく行く製造業では、営業部がしっかりと独立して機能していない企業さんも多く、受注の調整が担当者任せになっているケースも多く見られ、一つ一つの仕事の中身や取引先の選択、中長期的な視野での開拓などができていないため、常に向こうから来たものをこなす受身の体制から抜けきれずにいます。
受身な立場のままでは価格競争に陥ってしまう、ということは多くの経営者は理解しているのですが、順調に現場が動いていることの安心感から、つい未来の会社づくりについて考えることを後回しにしてしまうものです。
しかし、企業を存続していくためには、例え現在の取引先が全て撤退してしまうことがあっても自分の足で立つことができなければなりません。誰も手を差し伸べてくれない中でも、全社員と力を合わせて乗り越えていく何かがなければならないのです。
私も長らく会社務めをした経験がありますが、社員は経営者の顔色や動向を実によく見ています。目先のことに一喜一憂している姿はとても社員を不安にさせますし、未来に向けたビジョンが語れない経営者には何か残念なものを感じます。
将来の企業ブランディングを考えたとき、初めはかたちだけの営業部でも良い、しかしブレずに未来を見据え、思い切って捨てる勇気と何かひとつ秀でる覚悟、そして自らを磨き続け可能性に満ち溢れる組織と仕組みが必要です。
自社が強気で戦うための営業体制づくり、真剣に考えてみませんか。
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