マネジメントの目的と手段
バトン承継コンサルタントの浅野泰生です。
ウクライナ情勢が緊迫してきたという情報を耳にしていたら…
このブログを書いている木曜日の昼過ぎには、ロシアがウクライナへの侵攻を開始したとのニュースが飛び込んできました。
何が正解で何が間違っているのか、のレベルで語れないのが国家間の紛争。
こちら側からはあちらが間違っているし、あちら側はこちらの主張を理解できない。
こうなると何を言っても平行線で、国同士であれば戦争、家庭であれば離婚するしかないのか?
会社では社長と社員との立場の違いがあるので、社員が何も言わず辞めていくしかないのか?
それぞれ主張はあったとしても、双方向が歩み寄る姿勢がないとこの類の問題は解決しませんね。
さて、本日は管理職に求められるマネジメントについて。
マネジメントの目的とは?
当社のお客さまである後継社長からも、社員に向けてマネジメントについて話して欲しいというリクエストが少なくありません。
後継社長は口を揃えて「うちの管理職はマネジメントができていない」と言います。
では、そもそもマネジメントとは何なんでしょうか?
まずは、マネジメントの目的から。
マネジメントの目的とは何でしょうか?
先日話をしてきた会社の管理職の皆さんからは、こんな答えが…
「社員を成長させること」
「社員を教育すること」
などなど。
私は、社員の成長やそのための教育は必要だと思っています。
ただ、それは目的ではありません。
社員教育をして、社員が成長しても、成果が出なければマネジメントにはなりません。
会社という組織が組織でありつづけるためには、経営目標を達成しつづけなければなりません。
そのためにマネジメントが必要なわけです。
つまり、マネジメントの目的は成果を出すことです。
モチベーションを上げるのは手段
その成果を上げるための手段が、社員を教育することで社員に成長を促すことであり、社員が働きやすい環境をつくることです。
以前の会社でマネージャーが新任の挨拶で「私の仕事は部下のモチベーションを上げること!」と意気揚々と発言しました。
その場では「おまえはアホか」と心でつぶやきながら、後で呼んで諭しました。
成果が出ない方向に、モチベーションが高い社員が突っ走ると取り返しのつかない結果になりかねません。
成果の出し方が分からない社員は、むしろモチベーションなどない方がまし。
また、社長のビジョンを無視した社員の成長も、時として組織にとって百害あって一利なしの状況に陥ります。
口説いようですが、
社長のビジョン達成につながる社員の成長は必要です。
その成長につなげるために社員を教育することは管理職の仕事です。
会社の経営目標の達成には、目標達成に向けたモチベーションの向上も不可欠です。
何もこれらを否定するものではありません。
成果を出すというマネジメントの目的と、これらの手段とを取り違えないことです。
手段を目的化しては本末転倒と言っているだけです。
「うちの管理職はマネジメントができていない」というのは誰の問題か?
私は、マネジメントの定義を「与えられたリソースと責任・権限の範囲で最⼤限の成果を上げられること」としています。
ミドルマネジメントは、制限のある中で成果を上げることが仕事です。
これを置き換えるとトップマネジメント、つまり、社長は、会社としての業績を最大化することが仕事となります。
社長には「与えられたリソース」という制限がありません。
リソースを増やすも減らすも自分次第ですから。
ということからすると「うちの管理職はマネジメントができていない」も社長自身のマネジメントの欠如なのかも…
社員に求めるばかりでなく社長自身も振り返る、社長自身が反省するばかりでなく社員にも要望を伝える、双方の成長がないと会社という組織は強くなりませんね。
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