経営計画が計画倒れで終わる会社の共通点
「〇〇の分野で、地域ナンバーワンになりたい!」
「社員の平均給与を業界トップレベルに引き上げたい!」
「新規事業を成功させて、年商を2倍にしたい!」
会社の状況や、社長の方針によって、目指す未来や方向性が異なるものの、誰しもがいろいろな目標を掲げて、日々、会社経営のかじ取りを担っています。
しかし、企業経営をしていくうえで、具体的な計画を立てなければ、目標達成が難しくなってしまいます。何より、モチベーションを維持できません。
当社は、同族会社専門の財務コンサルティング機関なので、真剣に会社経営と向き合い、日々研鑽努力なさっている社長さんに多く出会います。
すでに大変立派な経営計画をお持ちの社長さんも多い一方、経営計画は初めて…という社長さんもいらっしゃいます。経営計画はあった方がいいのですが、大切なのは「中身」です。
正しいやり方で作成すること。これが最も重要です。
当社では、経営計画を作成する時に、ある2つのことを繰り返しお伝えしています。
具体的には、「必ずゴールを数字で具体的にすること」と「ゴールから逆算した数値計画を具体的に描くこと」です。コトバで表現すると非常にシンプルで簡単に感じられるかもしれません。
ですが、この2点は、財務を知った上で正しいやり方を実践しないと、経営を悪化させる要因になりかねないコワイ部分です。
実際、何年も経営計画をつくって運用しているにも関わらず、経営が良くならず、何年も悩み続けた末に、ご相談にいらっしゃった社長さんがいます。
非常に経営に前向きで、優秀な社長さんでも、唯一、見落としていたのが「財務」の実務だったのです。
では、どこが問題だったのでしょうか。
実は、「そもそもの数字計画自体が間違っていた」のです。具体的に問題点や対処法をお伝えすると、「そんなまさか…」と、驚いてらっしゃいました。
なぜ、そもそもの数字計画自体が誤っていたのでしょうか。
端的に申し上げると、自社の問題点に対する認識が、ズレていたのです。そのため、「一生懸命頑張っているのに、具体的な成果が得られない…」という苦しい状況に陥ってしまったのです。
大切なことは、自分の会社の本当の問題点がどこにあるのか、その見立てを間違えないことです。その上で、目指したい理想のゴールを数字で具体的に描くこと。これが最も重要です。
計画がない会社は、業績が悪くなる傾向があります。経営計画がないことは、会社全体の「目標」がなく、やること全てが「あいまい」になります。
その場しのぎの判断を繰り返していたのでは、経営はいずれ苦しくなり、借入依存・資金不足・赤字体質…の負のスパイラルに陥ります。
本来、経営計画は「会社としてのあり方」を言語化し、「将来の見通し」を数値として表現していくものです。会社経営の成否は、経営計画の良し悪しによって決まる…といっても過言ではないのです。
「経営計画がない会社」と「経営計画がある会社」とでは、同じ業界・業種・事業規模の会社であっても、5年後10年後の未来が大きく変わってきます。
それに、経営計画がある会社は、経営方針にブレがありません。そのため、金融機関や国、自治体からの信頼性が自ずと高まります。資金調達や新規事業の立ち上げなど、スピード感を持って実行できるようになります。
先行き不透明な時代こそ、社長は自社の経営理念・経営方針・行動指針などをしっかりと見つめ直し、社員や家族と共に明るい未来を描くべきなのです。
社長の仕事は、強く永く続く会社づくりをすることです。
あなたは今、社長としてどんな未来をつくりたいですか?
ダイヤモンド財務®コンサルタント 舘野 愛
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