工夫とは、やり方を変えることではない
コンサルタントをしていると、クライアント企業のさまざまな取り組み事例を目にする機会が多くなります。なるほどと思わされる工夫で結果を出している企業があるかと思えば、あれこれ取り組みを展開してもなかなか結果につながらない企業もあります。
「やり方はいろいろ工夫しているんですが、どうも結果が今一つで。」結果が出ない企業の担当者から決まって出て来るコトバです。たとえ方法論では解決できそうにない障害の存在に薄々気づいていても、まだ試していない別な方法論があるということから、とりあえずやり方を変えてみる、というようなレベルでの対応を繰り返している場合が多いのです。
考え方を変えずに、やり方だけあれこれ試してみるのは単なる試行錯誤であって、それを工夫とは言わない。工夫とは、やり方を変えることではなく結果を変えることである、私はそんなふうに説明しています。プロなら結果を変えるための工夫をこそ求めるべきで、結果が出ない試行錯誤はアマチュアレベルの取り組みと言われても仕方ありません。ではどうやれば結果を変えることができるのか?そこには3つの鍵があるのです。
鍵その1:結果を意識して、そこから逆算して考える
望ましくない結果を何としても変えたいからこそ工夫をする挑戦を続けているのですから、まずは望ましい結果とはどんなものなのかを具体的に意識するところから始めます。数値と時間軸で考えることができれば更に取り組みやすくなります。
鍵その2:「誰に」対象にしたものかを強く意識する
それが企業行動である限り、取り組みには必ず対象があります(人、あるいは法人とばかりは限りません。対象が環境全般と言う場合もあります)。取り組みの対象がどんな存在で、何を求めているのかを強く意識してください。
鍵その3:「何を」提供しようとしているかを見直す
成果が出ない多くの場合について、対象と提供内容の間に何らかの不一致や潜在的な不具合が隠れていることがあります。ほとんどの場合、対象は変えられないと思いますが、提供内容であればドラスチックに変えることも不可能ではありません。差別化できない回転寿司が、清酒ではなくワインの提供に挑戦したらうまく行った、というような事例をイメージいただければ良いと思います。
「誰に」「何を」提供して、どのような結果を得ようとするのか。まずはそれを強く意識するところから始めてください。そこから逆算することで、おのずと工夫の中身が絞られてくるのです。結果を得るための工夫に真摯に取り組む経営者を、当社は常に全力で応援しています。
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