信頼関係を築く方法
このコラムでも何回も取り上げていますが、経営者にはとにかく「話好き」の方々が多い印象です。もちろんこの「話好き」という特徴は、自らのビジョンを語り、リーダーシップを発揮するために持っておくべき資質でもあります。ただ、それも行き過ぎるとマイナスに働いてしまいます。
話好きの表裏一体となるマイナス因子は「人の話を聞かない」ということです。自分が知りたいことに関してはしっかりと聞く反面、それ以外のコミュニケーション、特に従業員に対しては、「コミュニケーション」ではなく一方的な指示命令、叱咤、自慢、昔話が大半を占めます。
これは経営者だけではなく、社内では上司と部下、あるいは同僚同士でもありえる状況です。もっと言えば、プライベートにおける家族や友人、知人相手でも同様です。とにかく「自分の話が先」。「俺の話を聞け」。「5分だけでもいい」。
SNSを見ても、人間誰もが持つ「承認欲求」の強さがどこかしこに表れています。いわゆるマウンティングと呼ばれる状態もリアル、ネット問わず散見されます。
経営者でも誰でも、まずは認めてほしい。書いている私も当然そうです。で、我先にとアピール合戦が始まります。その後はもちろんマウンティング合戦。
アピールするのは大事なことです。しかし、アピールばかりで一方通行だとコミュニケーションになりません。お互いが同じことをすれば、関係性が良くなるはずもないでしょう。
どうすればいいか。答えは簡単です。「相手の話を聴く」ことです。あえて「聴く」としたのは、能動的に、相手に興味を持ち、自分の意思で、正面から話を聴く姿勢が大事だからです。
私の個人的な意見ですが、「人の話を聴く」方が、アピールするよりも相手に認めてもらえます。しっかりと話を聴くことで、「あの人はわかっている」。「信頼できる人だ」。「あの人の話が聞いてみたい」となります(本当にそうなります)。
テクニックなどよりも、真摯に相手に向き合い、話を聴くのが先決です。それを繰り返すうちに、相手との信頼関係がいつの間にか構築されるのです。
留意点として一つ上げるとすれば、ミーティングなどがあった際、話すのは自分2、相手8の割合です。ミーティングの大半で相手の話を聴くことに徹してください。必ず効果が表れます。
私の見立てでは、ビジネス、プライベートともに「人の話を聴く」ポジションはがら空きです。ブルーオーシャンが広がっています。皆、自分の話を聴いてくれる人を探しています。認められたがっています。そして、自分が認めてもらえれば、そこで初めて相手のことを認めやすくなるのです。言うまでもなく、お互いが認め合うのは信頼関係構築の第一歩です。
経営者の皆さん。まずは社員の話を聴きましょう。その際、自分が話すのは2割にとどめてください。そうするだけで信頼関係は自然とつくられていきます。
コラムの更新をお知らせします!
コラムはいかがでしたか? 下記よりメールアドレスをご登録いただくと、更新時にご案内をお届けします(解除は随時可能です)。ぜひ、ご登録ください。