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心理的安全性と生産性の関係

SPECIAL

オルタナティブ経営コンサルタント

合同会社オフィス西田

チーフコンサルタント 

カーボンニュートラル、SDGs、サステナビリティ、サーキュラーエコノミー、社会的インパクト評価などへの対応を通じた現状打破と成長のための対案の構築と実践(オルタナティブ経営)を指導する。主な実績は、増客、技術開発、人財獲得、海外展開に関する戦略の構築と実現など。

コンサルタントをしていると、さまざまな社長さんと接する機会があるのですが、社内外の評価もまた百人百様というくらい、見る角度によって変化します。外部からは「天才経営者」「時代の先を読んでいる」などと持ち上げられていても、社内整備がまるっきりお留守になっていたり、社員の入れ替わりが激しかったりする例があるかと思えば、経営者として切れ味の鋭さは全く感じないにもかかわらず、社員から慕われる度合いが抜群、という社長さんも居たりします。

今日お伝えする「心理的安全性」は、ちょっと前にGoogleが実証実験をしたことで有名になりましたが、チームワークのパフォーマンスを上げるための要素として、構成員の経験値や資格、結果に対する評価・報酬といった条件よりも、これこそが決定的な要素であることが証明されたというものです。一言でいうと「何でも自由にモノが言えること」、もしくはそういう環境のことを言うのですが、そこで思い出されるのがマズローの欲求五段階説です。

いわゆる「自己実現の欲求」や「社会的欲求」など高次の欲求は、高い満足感とモチベーションをもたらしてくれるが、欲求の発露としてはごく弱い、それに対して「生存の欲求」や「安全の欲求」は、たとえ満たされたとしてもそれでモチベーションがすごく上がることにはならないが。欲求そのものは強く発露される、とする学説です。「所属の欲求」がちょうど中間にあたります。

心理的安全性が担保されていない環境では、人は発言する前に「ここでこれを言ったらどう思われるだろう?」という思いに囚われます。実はこれは「安全の欲求」が働いている状態といえます。この欲求そのものはとても強いため、安全=沈黙を選択する人が多くなり、コミュニケーションは停滞し、チームワークが上手く機能しないという状況に陥ります。

逆に、心理的安全性が担保された空間においては、人は自由闊達にその発想を共有しようとします。そこに合意された目標や経営方針があればなおのこと、それを盛り立てることでさらに心理的安全性を確保し、自らが所属する社会でもある職場に貢献しようとします。すなわち自己実現にもつながる機会を、心理的安全性が担保してくれている状態です。

もうお分かりだと思うのですが、会社で生産性を上げようと思ったら、確保すべきは社員から見た心理的安全性である、ということですね。社員同士が好き勝手なことを言い合い、それでなおかつ生産性が上がる。コミュニケーションは活性化され、社業は自然に加速されてゆく。なんだか理想的な展開に思えませんか?

社員の力を信頼し、社員に対して心理的安全性を担保しようとする経営者を、当社はいつも全力で支援しています。

 

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