会員組織化に向けた最初の1歩
今年4月から某ビジネススクールにおいて、会員組織化の取り組みを始めました。すでに10年以上の歴史をもつビジネススクールであり、会員数も何千人の規模です。
「会員数が何千人もいるのに、これから会員組織化?」という疑問を持たれた方もいるでしょう。
しかし、多くの企業は顧客の囲い込みとして、顧客情報を収集し、会員カードを発行して、ポイント制度も導入し、リピート購入を促そうとしますが、前回もお話しした通り、
消費者は購買行動が働く前に、購買心理が働きます
つまり、商品や企業を「好き」にならなければ、経営者が望むような会員としての定着、リピート化、ロイヤルティ化はありえないのです。
では、会員として定着してもらうために、最初に取り組まなければいけないことは。
私が必ずお伝えすることは、
相手に好きになって欲しければ、相手を「好き」になることからはじめよう!
恋愛に置き換えると分かりやすいですよね。
では、「好き」になるという行為として、具体的に何に取り組むのか?
ここが一番重要な決定事項です。
ビジネススクールの場合は、その他大勢のビジネススクールに浮気されることなく、定着してもらうために、
受講者のスキルアップ、キャリアアップにとことん付き合う!
という運営方針を掲げました。
通常のビジネススクールでは与えられた時間内に、できるだけ分かりやすく体系化されたスキルやノウハウを伝えて、受講者が明日から1つでも2つでも行動変容できるように指導し、習得を促す
という方針で運営しています。しかし、受講者はスキルやノウハウの習得の先に、スキルアップやキャリアアップ、会社の業績への貢献など大きな目標を抱いています。
その大きな目標の実現まで、講座後も様々なアフターサービスを整えて、
受講者のスキルアップ、キャリアアップにとことん付き合う!
という方針を掲げました。この方針を掲げてから定着させるまでに、半年近くの時間も要しましたが...
きれいごとを愚直に取り組む!
以前、セミナーで経営者の方からこのような感想をいただいたことがありました。
「好き」になるという行為として、具体的に何に取り組むのか?
その参考として数社の取り組み方針をご紹介したのですが、
取り組み方針はきれいごとに聞こえます。本当は稼ぎたいだけだと思うのですが。
おそらくこのような発想の経営者・企業には、会員組織化しようとしても、顧客リストと名前だけの会員が増えるだけで、いつまで経ってもロイヤル顧客は永遠に集まらないでしょう。
先ほどもお話ししたとおり、取り組み方針を掲げて、定着させるためには時間がかかります。しかし、定着させればリスト化された顧客が組織化され、その中から貴社のファンといえるロイヤル顧客が誕生していきます。
きれいごとを掲げるにとどまらず、定着するまで愚直に取り組む!
これが、経営者が取り組むべき、会員組織化に向けた最初の1歩です。
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