安定成長に欠かせない財務思考とは
「今はかろうじて経営が順調だから良いですが、しっかりとした経営判断の基軸になるようなものがなくって・・・。恥ずかしながら、現状はといえばその場しのぎの決断になっているような気がしていて不安なんです。」先般ご相談にお見えになられた、とある40代のオーナー社長さんの一言です。
社長お一人プラス数名という人員構成で、簡単にいうと○○商店的な組織体であれば、いわゆる勘(K)経験(K)度胸(D)経営であってもなんとか事業として継続することはできます。
しかし、事業規模も大きくなり、社員数も日を追うごとに増えていくような状況になってくると、次第に様々な所でほころびがでてくるものです。ですから、いずれはKKD経営を卒業して、しっかりとした経営管理体制のもと財務中心の会社づくりを目指していかなければなりません。
そして、その時、変化の兆しとして最初に表面化してくるものが、会社経営にまつわる「お金」の管理の問題です。
ひらたくいうと、お金をしっかりと残し、さらに増やしていくための仕組みが出来ていない会社は、その日暮らしの資金繰りの状態が続き、銀行頼みの資金調達に追われて「お金に忙しい」状態になってしまいます。
その結果、社長は、漠然とした会社経営にまつわるお金の不安を感じながら、社業に集中することができなくなってしまうのです。ですから、最も重要なことは、そうならないよう出来る限り早い段階で財務中心の会社づくりをしていくことにあるのです。
あくまでも、経営の本来の目的は、「お金」を増やすことであり、その根本となる「お金の残し方」「お金の増やし方」を熟知している社長だけが、この先行き不透明な経済環境下を生き抜くことができるのです。
特に、複数の事業を展開していたり、複数の事業所・営業所を持って事業活動を行っている会社こそ、環境の変化に敏感に対応していかなければなりません。
加速する時代の変化に対応するためには、イチ早く「守る」「捨てる」「攻める」判断を下せるようにしておかなければ、あっという間に時代に取り残されてしまうのです。よって、限りあるヒト・モノ・カネの無駄遣いを最小化し、より投資効率の高い分野へ再投資していうという財務思考を、社長は日々磨いていくべきなのです。
これからの時代は、「財務が分からない社長は会社を潰す時代に突入した」といっても過言ではないのです。
ダイヤモンド財務®コンサルタント 舘野 愛
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