それって導入が必要ですか?
私はコンサルの初回、「プロジェクトに失敗する方法」という話をします。そもそも社内外のプロジェクト(新規事業、業務改善、その他あらゆる問題解決)の成功確率は半分もいかないのではないかと私は思っているのですが、その失敗理由の共通点をまとめて「プロジェクトに失敗する方法」としてお伝えしています。ちなみに組織だけではなく、個人が何かを始める場合でも当てはまる話です。
プロジェクトに失敗する方法は、①ハンパな現状把握、②テキトーな目標設定、③ズレた施策、の大きく3つに分けられます。これらはそのまま時系列の流れであり、前段で上手くいっていなければほぼプロジェクトは失敗します(意外と失敗する方法をそのまますべて行っている会社も少なくありません)。一つずつ見ていきましょう。
①ハンパな現状把握については、自社だけでプロジェクトを回した場合に起こりがちです。誰でも自分の事を客観的かつ正確に見るのは限界があり、どちらかと言えば、楽観的でプラス面のみを見てしまいがちです(たまに悲観的すぎる人もいますが)。現状を正しく理解するには、信頼できる第3者を入れた方が、より客観的で正確な状況を掴むことができます。
②テキトーな目標設定は、ハンパな現状把握ともつながりますが、根拠が薄く目標が高すぎor低すぎな場合が多いのではないでしょうか。そもそも正しい現状把握があっての適切な目標設定ですが、仮に現状把握ができていたとしても、「見栄」や「保険」などで目標が歪むことがあるので注意が必要です。
③ズレた施策は、自分たちに適合しない施策を取り入れてしまうことです。大企業向きの大掛かりなITの仕組みを中小企業に導入するはよくある失敗例です。現状や目標が自社を正しく反映していなければ、ズレた施策が導入されることになります。また、ズレた施策とわかっていながら提案してくる企業やコンサルタントも存在し、プロジェクト失敗の要因になりますので注意が必要です。
つまるところ「徹底的な現状把握→適切な目標設定→自分に合った効果的な施策」をすることがプロジェクト成功の条件ですが、単独で実践するのは容易ではありません。会社でも、個人でも、信頼できる第3者のサポートがあった方がよいと思われます。
そして、私が一番重要だと考えているのは「徹底的な現状把握」です。フローの最初にして最重要な項目。プロジェクトに限らず言えることですが、現状把握を怠る、あるいは中途半端にやってしまうと物事は100%失敗します。
逆に言えば、徹底的な現状把握をするだけで問題解決することも実は少なくないのです。状況や数字を細かくヒアリングし、絡まったように見える情報を丁寧に解いていくと、そもそも問題ではなく、新たな施策など導入しなくても、社内の資源だけで改善できることが多々あります。
経営者の皆さん。新たな施策を導入する前に、身近にいるパートナーとしっかりと現状の整理整頓を行ってください。大半の場合、問題解決の糸口は自社の中にあります。下手をすれば、外面だけがキラキラした「無用の長物」が自社に入り込むかもしれません。
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