アカデミックに儲けたいなら
コンサルティングでお世話する現業事業者の多くが、いわゆる現場を抱えています。メーカーであれば各種の製造設備を持ち、それを運転することで成果を挙げています。
中小企業に比較的多く見られるのが、設備操業のノウハウは一応あるが、その最適値を科学的に理解するところまでは至っていない、というパターンです(いわゆる長年の勘と経験頼み)。メーカーのマニュアル通りに動かすことで一定レベル以上の成果が出てはいるものの、それが最適値かどうかについては追究されていないままになっている状態です。そこを科学的に分析できれば、生産性や品質の面で今よりまだ改善できる余地があるのでは、と思っている経営者も少なくありません。
他方で次から次へと入ってくる仕事に追われる現場は必ずしもそうではありません。忙しく事業を走らせる中で、一定程度の成果が上がっていて、それで儲かっているなら良いではないかとする考え方が支配的なことも珍しくありません。ただでさえ操業で忙しい現場に余計な負荷をかけてくれるな、と言う具合です。
この乖離は長年のツケになって社内に滞留しています。数字で毎年1%伸びる会社と1.1%伸びる会社があったとして、前者は1割成長に10年かかりますが、後者は8年で達成します。この差がどのくらいのものかというと、たとえば機械の運転速度や運転角度などの調整方法を科学的に最適化するだけで0.1%の違いを達成できるというプロセスは少なくありません。でもその最適値をどう見つけるか?というとそこにはやはり研究開発的なアプローチが必要になります。
そのようなレベルの研究開発でも、業種によって、あるいは分野によって、抱える課題は千差万別です。調査対象は機械なのか、材料なのか、量の問題なのか、質が悪いのか。あるいは温度なのか圧力なのか、はたまた作業手順なのかなど、求められる科学的知見は多岐にわたります。
そんなときの対策として、国立高等専門学校との産学連携を考えてみては如何でしょう。高専とも呼ばれるこの高等教育機関は、①全国各地、ほぼすべての都道府県に計51校が配置され、それぞれ地域に根付いている、②研究への取り組みが奨励されており、基礎教育に重点を置く工業高校とはそもそも違う。➂高度な専門性を追究する大学に比べて講座間のカベが低く、教員も多元的な視点を持っているため学際的な取り組みも可能、④各校が持っている技術振興会と言う組織が民間企業との接点をコーディネートしてくれる、⑤中央組織である高専機構経由で他の高専とも連携が図れるなど数多くのメリットがあります。多くの中小企業にとっての産学連携を考えるうえでまたとないパートナーだと言えるでしょう。
国立の学校であると言う点も、対外的な信頼性を担保する上ではプラスに働く要素ではないかと思われます。産学連携は政策的にも重要視されているため、事案の内容が評価されると公的な支援制度の活用も視野に入ってきます。
実際に高専との産学連携を考えてみたい、というニーズがありましたらいつでも当社までお問い合わせください。→ info@officenishida.biz 産学連携を通じて成長したい、という経営者を当社は全力で応援しています。
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