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上から目線な専門家の罪

SPECIAL

社内独立店開コンサルタント

株式会社ストアブレインコンサルティング

代表取締役 

経営コンサルタント。アパレル、小売、飲食チェーン指導などに強みを持ち、店長再生から店舗最盛へとつなげていく独自の「社内独立店開」手法を指導する専門家。
自らは店舗を持たない「販売・運営」に特化した経営スタイルに、多くの異業種経営者、店長が注目。路面店から百貨店、都心型SC、郊外型ショッピングモール…など、多様なチャネルで成果を上げ、店舗の強みを引き出す天才と称されている。

仕事柄、経営者の方からさまざまなお悩みをお聞きしますが、最近は経営上のそれとは少し毛色の違う「クレーム」のようなお話が多くなったような気がします。何かというと、公的機関で経営相談した際のクレームです。昔からあると言えばあるのですが、目立って聞くようになったのでさすがに無視できず、当コラムでも取り上げたいと思います。

ちなみにクレームが増えた要因としては、コロナ禍において公的支援が増え、その支援を求める経営者が増えたこと、さらに相談を受ける専門家が不足し、専門家間の能力やスキルの差が顕在化したことも挙げられるでしょう。

クレームの内容は、大半が相談を受けた専門家に対するものです。具体的には、教える内容、態度、言葉遣いなどが多いでしょうか。いわゆる先生業と呼ばれる方は陥りがちなことですが、とにかく「偉そうだ」という声をよく聞きます。

先日聞いた話では、すべてにおいて上から目線で、こちらの話を聴かず、一般的な答えをさも自分が考えたかのように、時には馬鹿にしたような態度で話されるそうです。もちろん、専門家の方々に悪気はないとは思いますが、自分の立ち居振る舞いがどう取られているかが客観視できない、あるいはわかっていても変えることができない人が多いのでしょう。加えて指摘する人がほとんどいないことも、いつまでもこの問題が続く要因の一つです。

私も偉そうなことは言えません。とはいえ、士業全体、またコンサルタントと呼ばれる方々まで範囲を広げると、もう少し態度を改めた方が‥ という人も少なからず存在します。繰り返しますが、当人に悪気はなく、それに気づいていない、あるいは気づいてもプライドが邪魔をして変えることができない状態なのです。

もし心当たりのある専門家の方はぜひ改善してほしいと思います(多分、誰も自分のこととは思わないのですが)。その状態は誰にとってもプラスになりません。それどころか、相当な損失になる可能性が高いと思われます。

私が最も重要視する専門家やコンサルタントの仕事は「正確な現状把握」です。正確な現状把握がなければ、絶対に問題は解決しません。クレームを言いたくなるような専門家に対して、自分の事、それも会社や自分自身の根幹に関わることについて話したい人がいるでしょうか。あきれて何も言わないならまだしも、その場で適当なことを並べて帰ることもあります。

そうなった場合、専門家としての価値はゼロ、いやマイナスです。関係者の時間を無駄に使い、事実とは異なる報告をし、専門家のイメージを悪化させ、経営者を孤立させ、下手をすると会社を潰すかもしれないのです。

私も含めて、専門家と呼ばれるような方は、今一度自分の「立ち居振る舞い」を見直すべきだと思います。助けを求める経営者は多く、誰にも相談できない中で、ようやく重い腰を上げて相談した相手が「あれ…?」という人だった。経営者は失望し、もう相談しない、自分で何とかするしかない‥となるのは、その時対応した専門家の責任です。

経営者の皆さんも、それであきらめず、専門家を使い倒すくらいの気持ちで相談してほしいと思います。ご自身の価値基準と合致するパートナーは必ず見つかります。信頼できるパートナーの存在は、企業の5年後、10年後に大きく影響してきます。

 

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