注目のコンサルタント ── 村松 勝氏、吉田隆太氏(3/4)
わずか2〜3年で、売上10億円増も!
他社を圧倒する自社独自の強い商品づくりを
指導する敏腕コンサルタント
株式会社ミスターマーケティング
代表取締役 / 代表コンサルタント 村松 勝氏
取締役 / 代表コンサルタント 吉田隆太氏
~前号からつづく
村松❖石崎電機さんは元々、昭和3年創業の老舗の業務用電熱メーカーなんです。熱風機や捕虫器なども手掛けています。
そういう背景のある会社だから、「業務用イメージを持たせた男性アイロン」を作ったら唯一性があるな、となりました。
吉田❖大手家電メーカーでも業務用製品を作っていますが、散々、CMなどで家庭用をアピールしてきただけに、今更、「実は業務用イメージです」とは言えないブランドイメージが出来上がっているので、絶対に同質化できないのです。
そこで〝創業80年の業務用電熱機メーカーが作った男性的なアイロン〞というポジショニングが出来ました。これは石崎電機さんにしか言えない、正に、唯一の位置なんです(図表2)。こうして作り上げたのが、「男前アイロン」です。
白川◉これ、今、サッと説明いただきましたが、かなり難しいですよね?
吉田❖軸を何にするかを考えるのが、非常に難しいと思います。
ですが、ポジショニングが弱いと、売れたとしても、まぐれヒットで終わり、継続性はありません。
当社のコンサルティングは、次の事業成長を長期で支えるという考えに戻づいています。だからこそ、他社をやすやすと寄せ付けない、唯一の位置をつくるポジショニングに非常に力をいれています。
村松❖ポジショニングづくりって、ある意味、職人技なんです。手前味噌で恐縮ですが、吉田のレベルでポジショニング戦略をつくれる人間は他にいません。
白川◉先ほどおっしゃっていた、〝 理論と実務が伴うことでコンサルティングの精度が上がる 〞という意味が分かった気がします。知識があり、実践もしてきているからこそですね。お見事だと思います。
カテゴリーキラーを生み出す仕組みを社内につくる
白川◉実際のコンサルティングは、どの様にやるのですか? お二人が全て調べ、提案する形ですか?
吉田❖いえ、いわゆる作業の請負はしません。カテゴリーキラーをつくるためのステップがありまして、ヒントと共に課題を出し、クライアントに考えてもらいます。
基本的にはコンサルティングは全12回セットなのですが、プロジェクトの方向性の確認・自社商品の良さや機能面などの強みの確認・顧客ニーズやターゲットの調査・市場や競合の分析など、毎回、決められた課題に取り組んでいただき、カテゴリーキラーを作りあげていきます。もちろん、ポジショニング作りもやっていただきます。
ただ、皆さんは、リサーチとか戦略づくりの専門家ではありませんから、私達が「こういう調査をするといいですよ」「ここを掘り下げてみてはどうですか?」とサポートいたします。
村松❖私達も顧客ニーズやターゲットのリサーチや分析を行いますが、基本的にはクライアント中心に情報を集めてもらい、考えてもらっています。
「先生に頼めば、売れる商品が出来上がるんでしょう?」は違うと思っています。
当社のコンサルティングの設計は「卒業させること」なんです。
私達が永遠に社内にいて、指導ができるわけではありません。私達が離れても、次のカテゴリーキラーを作れる様な仕組みを社内につくることが重要であり、そのために、クライアント自身にカテゴリーキラーを作るためのプロセスを踏んでもらう様にしています。
次号につづく
聞き手:日本コンサルティング推進機構 理事 白川 博司