注目のコンサルタント ── 村松 勝氏、吉田隆太氏(2/4)
わずか2〜3年で、売上10億円増も!
他社を圧倒する自社独自の強い商品づくりを
指導する敏腕コンサルタント
株式会社ミスターマーケティング
代表取締役 / 代表コンサルタント 村松 勝氏
取締役 / 代表コンサルタント 吉田隆太氏
~前号からつづく
カテゴリーキラーを生み出すテクニック
白川◉御社がクライアントから選ばれる理由って何だと思いますか?
村松❖やはり、売る物のコンサルティングをしているという点が大きいと思います。
世の中を見てみると、中堅・中小企業向けに売る物を指導している・できるコンサルティングって、殆どないんです。
大手企業向けに指導している会社は結構あるんですが、大手向けの会社が中小企業に指導しても、まず、うまくいきません。
中小企業には中小企業に最適なやり方があるからです。
真に、中小企業向けに、売る物を指導できるのは、当社が唯一といっても過言ではないと思います。
吉田❖もう一点、当社の強みとして、ポジショニングづくりが挙げられます。
当社のコンサルティングメニューでは、顧客分析をして、競合分析をして、それから、必ず、ポジショニングを作ります。
ポジショニングって用語としては有名ですが、マーケティングのプロでもきちんと理解し、できる人って少ないんです。
加えて、ポジショニングを作って、お客様にどうやって魅力を伝えていくかというブランディングのところまで繋げて戦略を立てられるコンサルタントとなると、世の中に、皆無だと思っています。
村松❖ポジショニングに関する本や講演されている先生も多いですが、ほぼ間違っていますね。そして間違っていることにご本人も気づいていません。
白川◉せっかくなので、正しいポジショニングを説明してもらえますか?
吉田❖もちろんです。では、分かりやすい様に、当社が手掛けた「男前アイロン」という商品で説明しますね。
白川◉「男前アイロン」は、よく知っていますよ。日経MJ一面やがっちりマンデー(TV番組名)で特集されていましたよね?
村松❖はい。石崎電機さんという会社の商品なのですが、当初は価格競争に巻き込まれ、苦戦していまして…。もっと粗利が取れるアイロンに変えたいということで、ご依頼いただきました。
当初、メーカー的には1千台くらい売れればといいなと思っていたそうですが、累計10万台を突破しました。
吉田❖「男前アイロン」については、ネーミングが注目されがちですが、実はポジショニングをしっかり作ったからこそ、成功したといえます。
ポジショニングとは、お客様のニーズに基づいて、競合との違いを明確にしていくための戦略ツールです。一言でいうと、唯一性の位置取りを作っていくことです。
まず、当時のものですが、一般的な家電市場を分析しました。(図表1)
すると、「機能性の高さ・低さ」「デザイン性の高さ・低さ」という軸ができます。
Aの〝 高機能でおしゃれ 〞に分類されるのが、ダイソンやアップルの様なメーカーです。Bの〝 高機能で非おしゃれ 〞が、いわゆる国内の大手白物家電メーカー。Cの〝 低機能でおしゃれ 〞に分類されるのがamadanaやプラスマイナスゼロといった、おしゃれ家電です。
そして、石崎電機さんのアイロンはDの〝 低機能で非おしゃれ 〞に分類されていました。必然的に、Dは低価格商品が主です。
元々のご相談が「低価格商品で価格競争に巻き込まれていた」「粗利が取れる路線にいきたい」というご相談でしたので、単純に考えると、当時アイロンでは空白地帯だったAゾーンへの移行が浮かびますよね。
白川◉確かに、多くの経営者がAゾーンに該当する様な機能性・デザイン性を高めた高付加価値商品を開発しようと考えますね。
吉田❖ポジショニングの本質・重要性を理解していないと、ここでやめてしまいます。
しかし、最初はAゾーンで唯一性の位置取りが出来ても、Bゾーンにいた大手企業がデザイン性を高めるだけで、一気に同質化されてしまうのは目に見えました。
白川◉それでは、いわゆる長期で唯一性の位置取りができるとは言えませんね。
吉田❖そうなんです。そこで、Aゾーンを前提としつつ、さらに別の軸を考えました。
消費者調査をしたところ、アイロンはデザイン的なイメージとして、男性的と女性的に分かれるということが判明したんです。
そして当時は殆どが女性に絞ったデザインだったんですね。
しかし、「夫にもアイロンをかけさせたい」という意見もありました。そこで、男性的アイロンというキーワードが出ました。
しかし、男性向けをイメージしたアイロンであれば、他メーカーでも作れますのでもう一つ軸が必要です。
石崎電機さんにしか作れない商品とは何か、と考えた時に浮かんだのが「業務用」というキーワードです。
次号につづく
聞き手:日本コンサルティング推進機構 理事 白川 博司