新規事業を成功させる大切な視点とは。
新規事業を創案し、成功する可能性を評価するに当たっては、まずその市場性を見極めることが大切です。
- 自社の強みを発揮し、有利に戦える市場かどうか
- マーケットサイズは自社の対象市場として適切かどうか
- 市場アプローチの難易度は、どの程度か
- 対象市場とっての提供価値の貢献度は高いか否か
- 顧客単価が取れる市場か?
- 競合商品からのスイッチングは容易か?(買い替えしやすいか否か)
など、当社としての「新規事業の魅力度」「事業化の難易度」「競合との優位性」を見極めていきます。
しかし、この時にとても大切な視点を取り込まず、残念な結果に終わる計画が少なからず存在します。
その視点とは、営業目線によるゴールからの逆算思考です。
営業現場からモノゴトを見ると、その事業計画が成功しえるのか、全くの絵に描いた餅に終わるのかがクリアに見えてくることが多々あります。
とくに、経営上もっとも大切な収益性に関する実現可能性は、受注したときのイメージから鮮明に思い描けます。
商談相手にセールスをし、思い描く単価を提案したときに受注できるか否か…
商品やサービスを通じて貢献できる価値。
直接・間接競合商品との優位性。
この2つのチェックポイントをイメージしたり、テスト営業を仕掛けてみれば、その提案価格の妥当性を評価することができます。
京セラの創業者である稲盛和夫氏は、「値決めは経営」である!と断言しています。氏の著書である「稲盛和夫の実学」の一節を見てみましょう。
「値決めは単に売るため、注文を取るためという営業だけの問題ではなく、経営の死命を決する問題である。売り手にも買い手にも満足を与える値でなければならず、最終的には経営者が判断すべき、大変重要な仕事である」
「ケチな社長はなぜお金を残せないのか」(著:吉澤大氏)にも書いてありますが、利益を残すには「コストダウン」や「増販」よりも高い単価の商品を売ることに焦点を合わせる必要があります。
折角の新規事業ですから、大胆な価格設定で挑みたいものです。
ただ、このときに「単に高い価格設定」をしても成果にはつながりません。なぜなら、単価とは自社都合の視点しか入っていないからです。
価格は、提供する価値によって決まります。
価値は、その受け手(市場)によっても変わっていきます。
そのように考えると、新規事業を成功させるには、その市場に興味を持っていた方が「価値」に対しての感度が高まるのは当然です。
相手を好きになれば、必然的に興味が湧いてきて、商談先の課題や欲求が見えてきます。
そこから、自分が販売している商品が相手に与える効用を噛み合わせることができれば、稲盛氏のいう「お客様が納得し、喜んで買ってくれる最大限の値段」が見えてきます。
新規事業を創案・評価する際、価格という視点からも見つめ直すと、取り組むべきか考え直すべきか……ハッキリと見えてくる。
新規事業計画の大切な視点…御社では見過ごしていませんか?
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