「まだ」と「もう」の差とは
「♪世の中はいつも変わっているから頑固者だけが悲しい思いをする。」中島みゆきの「世情」最初の一節です。常に変化している世の中にあって、市場そして経済そのものも時々刻々と変化します。中島みゆきが謳ったように、変化しない頑固者はその変化について行けず、結局悲しい思いをすることになります。
ここにひとつ難しい課題が潜んでおりまして、ではその変化に対応するべきタイミングはいつなのか?ということです。常に変化を先取りしようとすると、過剰反応で無駄が生じますし、変化を後追いしてばかりいたのでは商機を逃すことにつながるわけです。
よく言われるように、コップに半分水が入っている状況を「まだ半分しか入っていない」と見るか、「もう半分も入っている」と見るか、その判断が初動を規定することになります。世論形成の段階から汗を流す人、法律ができてから動く人、その法律に従った予算措置が終わらないと動き出さない人。
どれが良い・悪いと言う話ではありません。いずれの行動にも、合理的な理由があるはずです。商機を捉えて成長しようとする人は比較的早くから動こうとします。逆にリスクを最小化しようとする人は待ちの姿勢を取ることが多いようです。企業経営もまた、場面に応じてリスク対応を優先しなくてはならないときがあるかと思えば、必死の覚悟で成長を目指さなくてはならないときがあります。
最近注目されているカーボンニュートラルについて言えば、化石燃料に関わる事業の場合、多くの経営者にとって今は状況の変化を見極めるときでしょうし、再生材など需要が大きく伸びると思われる事業の経営者にとっては、機先を制するために動くべきときであると言えます。
多くのメーカーや、流通に携わる企業の場合はこれから何が起きるのかについてしっかり勉強しつつも、自社が取るべき行動についていくつかのシナリオを持っておくべき時期に来ていると思います。ですので、いつにもまして臨機応変な対応が求められると思っておいていただくのが正解だろうということです。
コンサルタントとしても、こうなればこうしなさい、というようなパターン化した対応をご案内しづらい状況です。それでも経営者である以上、変化を読み切ってヒットを打たなくてはなりません。それでもゲームが終われば勝者が居て、そこには勝因があるわけです。「あそこでヒットを打ったから」と言う解説は、試合の後からなら楽につけられるのですが、実際の試合ではそれが分岐点となるのか、当事者にもよくわからなったりします。
そんなとき、コーチの立場から客観的な情報を提供すること、そして判断の背中を押してあげること。当社はいつもそんなスタンスでお客様に接しています。たとえ難しい状況にあっても、変化を見極め、変化を商機に変えようとする経営者を、当社はいつも全力で応援しています。
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