高額商品や長期契約のサービスを販売する際、ますます重要となる差別化要因とは?
ある中堅企業の経営者さん。
業容拡大に伴い、いくつかの経営課題が出てきたため、経営コンサルタントに相談することを決められました。そこで、インターネットで検索して4、5社を選定し、訪問して打ち合わせしました。
すると、ほとんどの先が経営者の潜在的な要望を無視して、自社のやり方を押し付けてきたそうです。
その経営者は最終的には、経営者のニーズをつかんで、それに対して取り組むノウハウを持っていると感じられた私も日頃お世話になっている先生にコンサルをご依頼されました。
この話を聞いて皆さんはどのように感じられたでしょうか?
日頃いろいろと相談を受けるコンサルタント側からすると、こちらからセールスした訳ではないのに、わざわざ相談に来られたということは、お客さんは「自社のノウハウに興味を持っている」「自社のやり方はある程度理解している」と思ってしまうかもしれません。
けれども、先の経営者の場合は、「まずは話をしてみて、自社の問題を解決してくれる
会社を選ぼう」という段階でした。
最終的に選ばれなかった先はどういう会社だったかは分かりません。もしかすると、すごい問題解決のノウハウをお持ちの会社があったかもしれません。
しかしながら、経営者が最終的に選んだ決め手は「自社の経営課題に一緒になって寄り添ってくれる」ことだったのです。
マーケティングでは「差別化」が大事と言われます。
競合他社と比べて
- 自社の商品はどこが違うのか
- 他社にはない自社の特徴は何なのか
を明確に示そうと教えられます。
けれども、提供する側が「ウチはココが違います!」とアピールしても、お客様から見た時に「どこがどう違うのかがよく分からない」ことがあります。
もちろん、お客様の側も選ぶ基準はまちまちです。
少しでも安い方を選ぶという価格重視の人もいれば、とにかく有名で名前の知られている会社を選ぶ人もいます。また、相性の問題もあるので、スキルはすごいと思うけれど、どうも担当者が人間的に好きではないということで、選択肢から外す人もおられます。
差別化要因といっても
- 数ある中でまずはお客様から見つけてもらう
- 問い合わせがあった先から最終的に契約につなげる
- 実際に契約が始まってから満足してもらう
など、段階によっていろいろあります。
そして、いくらホームページにしっかりと、これらのことを記載していても、お客様はこちらが期待しているほどは理解していません。
ある程度、高額な商品や長期的に続くサービスの場合、選ぶ側のお客様の温度感も様々です。
冒頭の経営者の場合は、まだコロナ禍が本格化する前だったので、直接先方に訪問して面談されました。
しかしながら、最近では高額な商品や長期的なサービスもオンラインで商談して買うか買わないかを判断するケースが増えています。その際、直接会って打ち合わせする場合と違って、お客様の温度感がなかなか伝わりづらいという問題があります。
これらの問題を解消するために、いろいろなノウハウやテクニックが出回っています。
けれども、細かいテクニックは別として、今より求められているのは、やはり「聴く力」です。しかも、「相手の感情に寄り添う形での聴く力」です。
表面的に出ている経営課題だけでなく、その奥に潜んでいて、本人もまだ自覚できていない課題を明らかにして、相手の心を動かせるかどうか。
業種業態に関係なく、これからは「聴く力」の差が大きな差別化要因になります。
ちなみに、弊社では「プレ・社外チームミーティング」で、経営者の抱えている課題について徹底的にお聴きしています。
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