注目のコンサルタント ── 西田 純氏(3/4)
社会改善は、ビジネスチャンスの塊だ!
SDGsで会社を伸ばす、国連出身の正統派(3)
合同会社 オフィス西田
チーフコンサルタント 西田 純 氏
~前号からつづく
「3ステップコンサルティング」でSDGs をモノにする
白川◉実際にSDGs導入コンサルティングの流れについて、簡単に教えて下さい。
西田❖「3ステップで実践する成果の出るSDGs経営」という名称でやっておりまして、その名の通り「理解して」「考えて」「実行する」という3ステップでのSDGs導入をご提案しています。
ステップ1「理解して」では、私が考案したSDGsマトリクスを用いて自社分析を行うことで、立ち位置を可視化してもらいます。
ステップ2「考える」では、SDGsマトリクスを活用しながら、自社の強みを生かして、どんな事業展開ができるのかを考えるプロセスを行います。
SDGsには17のゴールがありますので今までの知見・経験が生かせるもの、親和性の高いもの、何より収益性を期待できるものを着手することができます。
そして、ステップ3「実践する」です。
実際にSDGsを元に、多角化ビジネスモデル構築の実践的なサポートをします。
SDGsには、曖昧な表現や用語的に特殊なものもあるため、事業化していく時、自分勝手な理解だけで走ると、致命的なミスを犯したり、外部から「これはSDGsじゃないよね?」と告発されるリスクもあります。そういったことがない様に、私は専門家として事業成功の伴走をするようにしています。
白川◉「理解して」「考えて」と、思考のフェーズの割合が多い様に感じますね。
西田 SDGs導入は二番煎じでは上手くいきません。会社の状況やリソースによって状況が大きく変わります。
だからこそ、しっかりスタートラインを見える化するために、掘り下げることが重要なのです。
白川◉ご自身の、コンサルタントとしての強みは何だと思いますか?
西田❖20年以上に渡って世界を含めた環境の動きを定点で観察してきたこと、世界が目指しているものを皮膚感を持ってお伝えできることが、私の強みなのだろうと思っています。
SDGsでは、対象とする社会課題を解決するために残された時間が限られているので、儲かり出せば、高速回転するビジネスの力を使って、少しでも解決を早めることができると考えています。
持続可能性への挑戦は、まず儲けから
白川◉コンサルタントになったきっかけは?
西田❖国連時代から、社会問題には民間の参画が重要であり、何とかその部分を盛り上げられないものかと考えていました。
それを持続可能にしたいなら、自立的に進められるよう、まずは儲けがなくてはダメではないかと、ずっと考えていました。
元々が、民間出身ですから、より、そういう思いが強かったんだと思います。
独立後しばらくは、公的機関とのお仕事が多かったのですが、15年にSDGsが出て、「これだ」と。SDGs実現には、民間の力が必要不可欠であり、国連時代から考えていた「ビジネスで世の中にいいことを提供する」がSDGsなら可能です。
そこで自分のキャリアを生かし、民間企業がSDGsを導入するサポートをしようと考えたのが始まりですね。
世の中には「SDGsバッジつけるだけで喜んでいる」なんて批判する人もいますが「それで、いいじゃないか!」と思っています。極端に言えば、動機が「儲けたい」でも、「ブームだから」でもいいんです。
それで一人でも多くの人がSDGsに関心を持って、それが世の中の持続可能性を高める様な話にいけば、結果としてOKなんです。
白川◉社会改善は高尚な思想が必要で、不純な動機でやるのは…と考える経営者もいると思うんですが、専門家に「まずは儲けのためでいい」と太鼓判を押してもらえると、「じゃ、ちょっとやってみようかな」という気になりやすいと思いますね。
次号につづく
聞き手:日本コンサルティング推進機構 理事 白川 博司