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顧客の育成…ひと粒で三度おいしい?営業ツール

SPECIAL

ブランディング営業体制コンサルタント

H&Cブランディングマネジメント株式会社

代表取締役 

中小企業のための、「ブランディング営業体制」を構築するコンサルタント。営業スタッフのみならず、全社をあげて、企業価値をしっかり守り、価格競争をせずに確実に売れていく体制づくりを指導する。

 

私たちを取り巻く営業環境は大きく様変わりしました。テレアポや飛び込みといった、これまでの営業手法が通用しなくなり、皆さん新たな方法を模索しているところだと思います。先日お会いした社長も、「営業社員がテレアポしても担当者が在宅ワークでなかなかつかまらないって言ってるし、飛び込みをしようにも世間的にそういう雰囲気では無いし…」とおっしゃっていました。そのおかげ(?)か、世の中には新たなサービスがどんどんリリースされ、中でも最近はリファラル(紹介)営業が人気のようです。

紹介営業自体は昔からありましたが、『副業元年』と言われた2018年頃からジワリジワリとそれを副業にする人が増え、このコロナ禍で一気に膨れ上がっており、クラウドソーシングサイトやリファラル専門のマッチングサイトなどの活用がすすんでいます。これは余談ですが、リファラル営業サービスは、商談の日時が確定した時点で報酬が発生するという、紹介する側にとっての使いやすさがあります。

その後、商談が成立した際の報酬は別に設定が可能ですが、基本はアポの確定で報酬が支払われるというのが大きなメリットになっています。報酬金額は自由に設定でき、1アポ2〜5万円くらいが多いようです。紹介営業の強みは、何と言っても信頼度の高いアポイントで商談に臨めること…飛び込みやテレアポで関係性の薄い相手に対してプレゼンをするのとはワケが違う…とあって、企業側のメリットもかなり大きいと言えるでしょう。

さて、ちょっと話が横道にそれましたが…

新規開拓についての悩みや課題はいつの時代も変わりませんが、こんな時だからこそ、既存のお客様や、興味を持ってくださっている方を大切にした「顧客育成」について考えてみたいと思います。

既に取引のある顧客を持っている企業にとって、動きが鈍いこの時期だからこそ既存のお客様との信頼関係を更に深め、そこからの紹介を得ることに注力されてはいかがでしょうか。既存顧客のところには、定期的に訪問したり、年賀状などのやり取りはあるけど、それ以上、どうやって関係を深めれば良いのだろうか?という時に役に立つのが情報誌などに代表されるコミュニケーションツールです。私も営業マン時代には10年以上、毎月作成して大切なお客様にお送りしていました。最近はSNSやnoteなどを使った情報発信に力を入れる会社も増えていますが、顧客の年代によってはやはり紙の情報誌が喜ばれたりします。

この、情報誌などのコミュニケーションツールには様々な活用シーンが想定できますが、その中から主な3つをお伝えいたします。1つ目は「既存のお客様に対して」、2つ目は「新規のお客様に対して」、そして3つ目は「見込のありそうなお客様に対して」です。一つずつ見ていきます。

 

①既存のお客様に対して

目的:自社のことや社員のことを知ってもらう、新しい情報をお届けする、お客様の声を紹介するなど、より深く自社について知ってもらう。

定期訪問などでこまめにコミュニケーションが取れているつもりでも、実はお互いに知っていることはほんの一部。自社の取り組み(新しい事業・設備の導入・社員育成)など、自社の価値向上に関する情報や、自社の“素顔”(社内の整理整頓の様子や地域のボランティア活動、社員旅行の様子)などもあわせて伝えると単なるビジネスだけの関係性ではなく、お互いに人と人とのお付き合いができるようになります。私自身もこのようなツールをこまめにお送りすることで、「うちはこんな会社にお任せしている」といったご紹介につながることは多々ありました。『紹介』は、お客様自身の信用にも関わること…ちゃんと分かった安心できる人でないとそう簡単にご紹介にはつながりません。

 

②新規のお客様に対して

目的:会社紹介として渡す。いきなり商品説明をするのではなく、自分たちが何の会社で、何を大切に仕事をしているのかをきちんと説明する。

貴方の会社の営業社員は、初めて会ったお客様に、名刺交換の後、いきなり商品パンフレットを出していませんか。お客様が欲しくて欲しくて待ちきれない商品なら別ですが、そのようなことは滅多にありません。貴重な面談の最初の5分で何を伝えるか?で、『次』が決まるのです。特に、会社が小さくて知名度が低いとか、新しくつくったばかりの会社であれば尚更、商品説明の前に自社の紹介をしっかりする必要があります。自分たちはどんな気持ちでこの仕事をしているか?を伝えるのです。

 

③見込のありそうなお客様に対して

目的:一度提案をした、見学会に参加してくれた、資料請求があった、サンプルを使ってみた等のお客様は、興味があって話は聞いてみてくれたものの、タイミングが今ではないという方や、商品や会社に対する理解や信頼が十分でないため契約(購入)に至らなかった方へのフォロー。

ここができていない会社は意外に多いものです。特に、これまでテレアポや飛び込みといった「数」の営業をしてきた会社は、営業社員の評価を「量」でしてしまう傾向にあります。常に新規・新規…と新しいところに出向いていくばかりではなく、一度接点を持ったけれど即決しなかったお客様を丁寧に育てるという感覚を持ち、良い関係性を築いていく仕組みの構築が必要です。自分たちの何を伝えればより理解してもらえるのか?どのような形で表現すればわかってもらえるのか?…情報誌などのツールは、顧客の育成になると同時に、その制作過程そのものが社員の育成に非常に有効なのです。

 

様々なことがITの活用で効率化される今だからこそ、本当に大切なことに時間を割くことが求められます。あなたの会社のことは本当にお客様に伝わっているでしょうか?それを伝え続ける仕組みはできていますか?新規開拓に困らないための、お客様からご紹介をいただける会社づくり・社員の育成にシフトしませんか。

 

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