ゾンビ企業の社長に共通する間違った会社経営
ゾンビ企業とは、「借入金の支払利息を、利益で賄えない企業」と言われています。このゾンビ企業という言葉自体は、バブル崩壊後のいわゆる「失われた10年」として知られる1990年代が発祥ともいわれています。
イメージとしては、本業としての利益は出ていないけれども、銀行がお金を貸してくれているから、なんとか資金ショートすることなく、表面的には会社が回っているように見えている状態です。
そのため、銀行からお金を借りて生き延びているその姿を見て、「非効率的」とか「非生産的」などと批判されたりします。
それに、社会全体からすれば、「ゾンビ企業」イコール「悪」と定義されておりますし、「早期に淘汰されるべき」ともよく言われます。
そもそも「本業が儲かっていない」ということは、誤解を恐れずに申し上げるのなら「世の中から求められていない事業」ともいえます。
本気で会社の未来を考えるのなら、社長としては、その状態を看過するわけにはいきません。現実を真摯に受け止め、「次の一手」を真剣に考えなければならないのです。
それができない場合、時間が経つほど状況は悪化していってしまいます。
その一方で、足元の業績は厳しい状態でも、未来を拓ける社長もいます。そのような社長は、現状の苦境に屈することなく、あらゆる可能性を模索して、未来に繋がる次の一手を打っています。
ですから、現在の状況が、表面だけ捉えればゾンビ企業に分類されるような状態であったとしても、本当の意味ではゾンビ企業ではないのです。
本当の意味でのゾンビ企業は、夢も希望もなく、未来に向かっての建設的な手を打つこともなく、社長もただただ「銀行からどうやってお金を借りようか?」だけに腐心しているものです。
会社と社長そのものが、将来に向かってどれだけの可能性を秘めているか、具体的にどれだけの改善の手を打ち続けているかで未来は大きく変わっていくのです。
本当の意味でのゾンビ企業にならないためにも、社長は未来に向かって正しい経営判断を積み重ねていく必要があります。特に、苦しい経営環境下ほど、社長の手腕が問われるのが「財務」です。
なぜなら、人間は、誰しも感情の生き物です。特に苦しい時ほど、精神的に不安定になりますし、時には、間違った選択をして、さらに傷口を広げてしまうこともあります。
苦しい時ほど冷静に現状を把握して、数字で具体的に未来を創るための実務として「財務」が不可欠なのです。特に、自社の根本的な課題を特定し、解決に導くまでは時間がかかります。
時間がかかることだからこそ、最短最速でゴールに辿り着くための具体策を知っておくべきなのです。そのために最も重要なことは「決めること」にあります。
社長にとって最も重要な仕事は、会社の未来を創ることですから、当然、日々決断の連続です。
逆に何も「決められない!」ということであれば、ご本人にとっても、命運をともにする社員や家族・利害関係者からしても、大変苦しく、不幸なことになります。
正しい経営判断をタイムリーに下していけば、最短距離で社長が目指すゴールに近づくことができます。
逆に、いつまでもズルズルと問題を先送りしたり、間違った経営判断をしてしまった場合は、目指すゴールに近づくどころか、むしろ最悪の自体が待ち受けていることだってあるわけです。
だからこそ「正しい経営判断を下す」ためには、当然ながらその判断を後押しする「社長専用のモノサシ」が必要不可欠なのです。
社長の仕事は、強く永く続く会社づくりをすることです。
あなたは今、社長としてどんな未来をつくりたいですか?
ダイヤモンド財務®コンサルタント 舘野 愛
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