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期待を伝える!幹部面談の実践方法

SPECIAL

バトン承継コンサルタント

承継イノベーション研究所(株式会社think shift)

代表取締役 

これまで後継経営者を100名以上支援・指導し、自身も後継経営者として実績を出してきた、後継者支援の実績と後継経営者としての経営実務の実績とをあわせ持つ、バトン承継コンサルタント。
後継経営者が「ただ」事業を引き継ぐだけではなく、「自分らしい」経営を行うことで経営の革新を引き起こす、「承継イノベーション」を提唱している。

組織を強くするためには組織の上(=幹部層)から社長の代弁者を増やすことが重要という話をこの記事でも何回かお伝えしております。

その方法として、『幹部合宿』を以前ご紹介しました。
合宿以外にも、自身の代弁者を増やすために私が実践してきた取り組みはいくつかあります。

今回の記事では幹部と個別にコミュニケーションをとる手法をご紹介します 。
ご紹介する事例を参考にしながら、ご自身のやり方を模索していただければ幸いです 。

伝えるのは社長の価値観・判断基準

今回ご紹介するのは月に1回、1時間行う『幹部面談』です。

面談で伝えるのはあくまで私の価値観・判断基準が中心です。この点は幹部合宿で行う内容と大きくかわりはありません。

ただ、幹部合宿よりも幹部面談のほうが、幹部個人にフォーカスを当てているので内容はより狭く濃くなります。
幹部それぞれの特性、課題感にあわせた内容を伝えることができるからです。

私自身の考え方をより一層ストレートに伝えることで共通認識を持てるようにします。

幹部面談の具体的なやり方~重要なのは期待の言語概念化

幹部面談は、私が年度始めに渡す「期待」に基づいて行われます。

人によって内容は異なりますが、以下はある幹部の「期待」の実例です。

1.「今していることが成果に直結するか?」を常に自分に問いかけ、
自分の仕事に優先順位をつけ成果に直結するものに全身全霊で注力すること

2. 自分を客観視することで自分にできることとできないこととを明確にし、
自分にできないことを素直に認め他人の力を借りられる人間になること

3. 私との衝突を恐れず、自分の想いや意見を明確に表現すること

「期待」とは、ポジティブな「期待」だけでなく改善要望の裏返しでもあります。
改善が必要と思う点を「指摘」として伝えるのではなく、「期待」の言葉に変換して伝えます。

書き方については、ご覧の通り定性的な内容にし、多少良くなってもさらに上を目指せる内容にして何度も繰り返し伝えます。

言葉をカタチにすることの重要性

「いつも同じことを言っているのに社員がそのとおりに動いてくれない……」
「社員が自分の考え方をなかなか理解してくれない……」

後継社長からこのようなボヤキをよく聞きます。
それに対し、私は「社長の想いや考え方をカタチにしていますか?」と問いかけます。

後継社長は、あらゆる場面で自身の想いや考え方を社員に伝えます。
社長自身は毎回同じことを繰り返し話しているつもりになっています。

しかし、聞き手側の社員は「社長は言っていることがコロコロ変わる」という反応を示します。

気分の良し悪し、体調の良し悪し、その他様々な要因によって同じことを言われていてもその時々で解釈は異なるものです。

このような事態が生じるのは考えをカタチとして残るものにしていないからです。考えを言葉にして伝えるだけでなく、伝え方にも工夫が必要なのです。
そのため、「期待」がコロコロ変わるということにならないためにも、紙に書いて伝えるのです。

期待を言語概念化することで「言った、言っていない」の問題を避け、こちらが求めているものを明確に伝えることができます。

今回は、幹部と個別にコミュニケーションをとる手法として『幹部面談』をご紹介しました。
ぜひ後継社長が幹部との関係性を深める際にお話しした内容をご活用いただけると嬉しいです。

 

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