販管費の内訳を把握していますか?
クライアント先にて財務面の確認をする際、「販管費(販売費および一般管理費)」の把握をされていない経営者が多いことに驚きと危機感を感じています。何となくこれぐらいかな‥な額は把握されていますが、費目ごとの額や増減については9割以上の方が「?」の顔をされるのが現状です(私見ですが、販管費というネーミングにもセンスのなさを感じています。わかりにくいことこの上ない。個人的には「営業費」でいいと思っています)。
ともあれ、経営者にもかかわらず、何にいくら使っているのかまったくわかっておらず、決算時に判明してもそれすら見ていない方が多いのが事実です。黒字であればまず見ない。赤字であっても、良くて顧問税理士のアドバイスを聞くくらい。最悪見て見ぬふり。で、闇雲に売上獲得に走り、安請け合いで儲からない仕事の量が増え、さらに闇雲に人件費を削減しサービス低下を招くなど、業績悪化の泥沼にはまり込んでいきます。
もともと数字に対して苦手意識がある経営者が多いのも事実で、顧問税理士の話も分かったふりをしながら聞いている方が大半だと思います。とはいえ、会社はキャッシュがなくなったらゲームオーバーです。どんなに苦手でも、自社が支払っている費用は把握するべきで、その中でも販管費は会社の本業に関わる重要な固定的費用です。私に言わせれば経営者が「販管費を把握していない」のは職務怠慢でしかありません。
販管費の把握に関しては、赤字の時は当然として、黒字の時も同様かそれ以上に把握することが肝心です。当たり前ですが。というのも、赤字の時はある程度経営者も緊張感をもって経営にあたっており、とりあえず変な使い方はしません(する人もいます)。しかし黒字の時は「油断」が生じます。順風満帆だと気が大きくなり、使わなくてもいいお金を使ってしまう可能性が高まるのです(私自身も経営者として経験しました。まわりが持ち上げ始めたら要注意)。
無駄遣いを防ぐためには、まず何にどれくらい使っているかを把握することです。販管費はその最たるものですね。そして、さらに重要なのは計画を作成することです。特に現預金の流れを1年12カ月で細かく把握する「キャッシュフロー計画(≒資金繰り計画)」は経営者にとって外せないツールです。
ただし、一人で作成するのは困難ですので、顧問税理士などのプロとやり取りをしながら作成しましょう。自分以外の客観的な視点は間違いや盲点に気づかせてくれます。そして何よりもお金の不安が解消され、本業に専念できるので経営者にとって作成しない手はないのです。
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