「脱 下請」一歩先を行く経営者のための新規受注獲得先の捉え方
「脱 下請シリーズのコラムで元気付けられ、何とか下請けという立ち位置から脱したい、と模索しているのですが、ひとつ気になる点がありまして・・・」──前回までのシリーズコラムをご覧いただいた、とあるオーナー経営者の方からのご相談です。
このオーナー経営者が気になさっている点を一言でいうと、「脱 下請するために新規受注獲得先のターゲッティングしたはずなのに、同じような受注先が増えただけってことにならないか?」ということでした。
私からの回答は、「新規受注獲得先ターゲットがブレるかブレないかは、現状維持バイアスなどの怖さをキチンとご理解されているオーナー経営者あなた次第です。」
このオーナー経営者の方は、いろいろなことをご理解いただいた上でのご質問でしたので、私からの回答もシンプルにさせていただきましたが・・・
一般的にわかりやすく説明した方が、みなさんのご理解が深まると思いますので説明します。
理解ポイント①
現状維持バイアスは非常に強力。
→ これを打ち破るには、キチンとした準備と経営者の覚悟が不可欠です。
理解ポイント②
「脱 下請」のために新規受注獲得リスト先の選別・リストアップ後、社内方針決定時のポイント。
→ 新規受注獲得先の選定時に、これまでと同じような受注先を選んでしまうのではないか?
そもそも、下請としてではなく、対等な企業として、うちのような弱小企業が相手にしてもらえるのか?などと考えてはいけません。
ここで気が弱くなってはいけません。
企業規模が違おうが、なんだろうが、対等な企業取引を開始するのが、経営者であるあなたの使命なのです。
気合いを入れて飛び越えていただきます。
そうでないと、これまで以上に下請地獄にハマりますよ。
もしかしたら、「脱 下請」を目指して取引を縮小しようとしていた◯◯製作所さんと同じ企業体質で、あなたの会社を下請にしようとしているかも知れません。
スペックの高い下請企業は、どの業界でも引っ張りだこなのですが、その理由は十分ご存知ですよね。
理解ポイント③
資本主義が高度に発展し過ぎた。
→ 資本主義が高度に発展したため、資本家による労働者の搾取が日常的になった。下請制度は極めて効率的な仕組みであることを理解しなければならない。
「大量消費」が行き過ぎSDGsなどのお題目が唱えられるようにはなりましたが・・・
これまでは「略奪する者と奴隷のように略奪される者」にずっと分けられていました。
ちなみに、「SDGs(=持続可能な開発目標)」とは、「Sustainable Development Goals(サステイナブル・デベロップメント・ゴールズ)」の略。
外務省のホームページでは、「2015年9月の国連サミットで採択された『持続可能な開発のための2030アジェンダ』にて記載された2016年から2030年までの国際目標です。持続可能な世界を実現するための17のゴール・169のターゲットから構成され、地球上の誰一人として取り残さない(leave no one behind)ことを誓っています。SDGsは発展途上国のみならず、先進国自身が取り組むユニバーサル(普遍的)なものであり、日本としても積極的に取り組んでいます」と紹介されています。
理解ポイント④
これまでのテリトリー外から対象となる新規受注獲得先を見つけてくる必要がある。
→ どうしてもこれまでの業界団体、テリトリーの中で考えたり、交渉することが多く、殻に閉じこもったまま。
理解ポイント⑤
違う業種・業態で、チャレンジしてみる。
→ あなたの会社の商品・サービスで刺さるものがないか、シミュレーションしてみる。
これら5つの理解ポイントをご認識いただくことで、脱 下請するために新規受注獲得先のターゲッティング時にブレがなくなります。
そして、このオーナー経営者が懸念していた、脱 下請するために新規受注獲得先を選定したはずなのに、同じような受注先が増えただけってことになりません。
コロナ禍による非常事態宣言の影響などで、既存の取引を守ることに終始し防戦一方になりやすい状況ですが・・・
「ピンチこそチャンス」、何としても「脱 下請」しつつ「販路拡大」に積極的にチャレンジしていきましょう。
平常時には、なかなか「脱 下請」にチャレンジすることは難しいものです。
しかし、コロナ禍で経済が低迷している現在だからこそ、親会社や既存の大口取引先とあまり事を構えずにチャレンジすることが可能なのです。
経営者であるあなたがきちんと「脱 下請」に舵を切って、経営権を手にしてください。
今だからこそ、商品別の売上構成や利益貢献度などに応じて、ABC分析などを実施しあなたの会社の受注先を常に見直すとともに、新規受注先へのアプローチでスクラップアンドビルドをしていきましょう。
「ニューノーマル」時代を乗り越えて、更なる発展をしていくためには、「脱 下請」が必須です。
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