突然の退職者をなくすために必要な組織風土改革に気づいているか
テレワーク、多くは在宅勤務中ですが、「社員のメンタルケアをどうしたらよいか」という相談をお受けする一方で、在宅勤務中に自らの働き方を見直したことにより、突然「退職したい」と報告してくる社員もおり、中小企業において、「人の問題」はより深刻化しています。
大企業に比べ、ひとりの社員が辞めることが組織に大きな影響を及ぼすわけですから大問題です。ところが、ここ最近はテレワークが続いていたため、本人と対面で話をしたり、どんな様子で働いていたのかも把握することが難しかったため、突然の退職宣言にはこれまで以上に戸惑いを感じるというわけです。
在宅勤務は孤独を感じやすく、オンオフの切り替えも難しいことから、日々の生活リズムが崩れることによる心身の不調を訴える社員もいれば、これまで通勤に必要だった時間を存分に活用するなど、在宅勤務の良さを十分に謳歌し、生産性を上げつつ快適に働いている社員もいます。
成長できる居場所を求めて
突然、辞めたいと言ってくるような社員は、実は後者に多いのです。というのも彼らは、これまでも職場以外に自分の居場所を持っていたのです。以前のように、同じ職場で過ごす時間が長かった頃は、職場以外に自分の居場所を持っているという人は少なかったはずです。そのため仕事を離れても、一緒に遊ぶのは職場の仲間ということが多かったわけです。
ところが今や、SNSで不特定多数をつながることが可能になり、様々なコミュニティがあり、職場以外に自己実現ができる場所を持つ「人」は増加しています。副業が認められる職場であれば、この傾向はますます増加していくことでしょう。
特に、現在の職場や仕事が
・「居場所」ではないと感じる
・「成長を実感できる」場所ではないと感じる
などの居心地の悪さを感じている場合、成長を実感できる居場所を求めて「転職する」という選択肢が現実味を帯びてしまうことがあるのです。
本人の言い分をじっくり聴く
さて、自社で、「優秀な人材として期待していた」社員が突然辞めたいと言ってきたらどう対応しますか。
すでに次の職場が決まっている場合は残念ながら引き留めは難しいですが、辞めようかと悩んでいるという状況であれば、本人の話、つまりは言い分をじっくり聴くことで、互いに歩み寄ることも出来るわけです。
特に優秀な人材の場合、会社側が次のポジションを用意していたということもあることもあるでしょう。会社の事情を伝えることで本人の気持ちが変わるかもしれません。
組織風土を変える視点
ですが、退職者が多い場合、その理由が仕事内容や仕事量ではなく、会社組織風土に問題がある場合も多いものです。
「仕事は好きだし、働く仲間も良い人ばかり。だけど・・・・」という理由を退職希望者から語られたら、それを真摯に受け取るべきです。個人的な意見に過ぎないと見過ごしてはならないのです。
社長は、経営陣は、これまで自社が培ってきた自社の「組織風土」の課題に向き合うべき時なのです。人の問題は、組織風土の問題と大きく関係しています。
組織風土改革は、社員が辞めずに活躍する会社づくりには欠かせないのです。
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