自社の若手は育っていますか。若手育成は上手くいっていますか。
次世代のリーダーの育成は、中小企業にとっては大変重要かつ緊急の課題です。
ところが、
これまで何かと目をかけてきた優秀な社員から、突然、会社を辞めると告げられた・・・・
職場ではムードメーカーとして常に明るく元気な様子だったが、メンタル不調の診断書が提出され3ヵ月の休職になった・・・
次世代のリーダーとして会社をひっぱってくれるだろうと期待していた社員が競合他社に引き抜かれてしまった・・・
その突然の出来事に驚き、「全く気が付かなかった」と感じたことはないでしょうか。
これまで彼らが学び、経験してきたノウハウがごっそりとなくなるばかりか、残っている社員にもこれまで以上の業務の負荷がかかることになるなど、既存事業にも大きな打撃です。
人材流出による人材不足が中小企業の経営に与えるダメージは、とてつもなく大きいものがあります。
これを避けるためには何をしたらよいのか。
経営者はもちろん、管理職以上のマネジメント層にぜひ知っておいてもらいたいことが2つあります。
優先順位が違う
そもそも、若い世代の仕事やキャリアに関する考え方を正しく認識しているでしょうか。
特に年齢が上の世代は、とかく自分自身の若手時代と比べ、相手も同じに違いないと考えがちですがそれは大きな間違いです。
年功序列や終身雇用の働き方が一般的だった時代と、今の彼らの仕事に対する価値観も優先順位も全く違うのです。
「出世意欲が旺盛で、安定を望むのか」、あるいは「専門性を磨きチャレンジを大切にするのか」。これは年代だけではなく、個々人によっても違います。
目の前にいる若手社員が、キャリアを蓄積していく中で何を大事にしているのか、きちんと理解しているでしょうか。理解するための対話をしているでしょうか。
それを一方的に「こうに違いない」と思い込んでいると、異動や昇進のタイミングにも関わらず「突然の退職」という残念な事態になるのです。
上司に迷惑はかけられない
また、20代の若い方の職場の悩みを聴く中で、よく遭遇する、ある1つのフレーズがあります。
それは「上司に迷惑はかけられない」というワンフレーズです。
よくよく話を聴いてみると、
上司は忙しそうで声をかけづらい
わからない自分が悪いのに、そのことで上司に相談するなんて迷惑だと思う
「こんなこともわからないのか」と思われるのが怖い
などの、驚きの声が耳に入ってきます。
「あなたを育成、指導するのが上司の仕事だから、わからないことをそのままにするのではなく相談するように」と促して、ようやく理解される方もいれば、プライドが高く、このアドバイスすら受け取れない方もいます。
SNSを通じて、自己表現をするのが得意な世代ではありますが、年代の違う上司には相談しにくかったり、また自分の失敗や出来ないことを見られることへの恐怖感を持っていたりします。
もし、自社に若い社員がいるのであれば、彼らとの対話を意識してしっかりと行う必要があります。
この2つのことを念頭に、社内で若手社員との「対話」の時間を定期的に持ってください。それが人材流出を防ぐためにも必要な手段です。
ですが、この「対話」の時間を定期的に取ることも難しい企業もあるでしょう。難しいと感じるのは、「忙しくて時間がとれない」と考えているからです。あるいは、「実際にどうやったら良いのかノウハウがない」ために、重要だと理解していても先延ばしにしているからです。
若手の育成を成功させる秘訣は、管理者側の「思い込み」を捨てること。そして真っ先に「対話」のための時間をとり、コミュニケーションを増やすことなのです。
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