「依頼する側」になるか「受ける側」になるか?
「案件を依頼する側」から「受ける側」になってみませんか?
時折、当社のメールアドレス宛にこのような題目のメールが送られてくることがあります。いわゆる仕事を受注するための、営業の代行をやりますよ〜的なWEB上のサービスです。
一瞬、営業経費や広告経費が掛からずに新規受注できる(かも?)のは渡りに船だ!と思わせる、仕事が欲しい企業にとってはとてもありがたいサービスです。
代表的な”アイミツ”というWEBサービスでは、システム開発・マーケティング・WEBマーケティング・情報システム・ITサービス・営業・総務・企画・人事・オフィス関連・経理・財務・専門家・海外展開と様々にあります。専門家の中の小分類には、私のようなコンサルタントというのもあります。
相見積もりの代行サービスですので、同業他社とのサービス内容の競争、さらに価格競争の末にようやく受注獲得となります。この場合、見積り相手が希望するサービス内容や価格面の要望に対して100%以上で応えなければなりません。そうです、相手の条件に合わせなければ新たな受注獲得ができないというわけです。
「案件を依頼する側」から「受ける側」になってみませんか?
真逆にしますとこうなります。
「案件を受ける側」から「依頼する側」になってみませんか?
考えてみてください。
ビルなどの大きな建物を建設する時、大手ゼネコンが全ての実権を握りますよね。元請け(ゼネコン)→下請け(工事会社)→孫請け(工事会社)→ひ孫請け(労働者・職人)。
下に行けば行くほど、利益は小さく、上からの業務指示や価格面での希望も受けて、それに応える形で仕事をしなければなりません。先の相見積もりサービスはこの建設業界の構図とまったく同じです。他社と同じような製品・商品・サービスであるから、いた仕方なくこの構図の一番下で仕事を受けなければならない・・・。ということです。
提供する商品やサービスにおいて独自化ができなければ、いつまでもこの下請け立場になってしまいます。
なぜ、独自化ができていなければならないのか?
どんな事業においても最低でも元請け、いやその元請けに対して発注する立場であってほしいと願うからです。
さらになぜ、その立場であるべきなのか?
「価格の決定権を持つ」=「経営のための売上と利益を適正に得られる」からです。
ビジネスを営む上で、価格を叩かれるケースもあるでしょう。その時に下るのではなく、「NO!」と言えるような経営が、常日頃できているどうか?です。
稲森和夫さんがおっしゃった「値決めこそ経営」とう有名な言葉があります。
京セラ、松下電器、TOYOTA、HONDA・・・。
新商品を出す場合、同業他社の似た感じの製品も見た上で、消費者の意見も参考にしたり、市場環境も見た上で、自社開発の製品価格を決めることもあるでしょう。マーケティング分析、市場分析ももちろん大事ですので、製品性能やサービスの質が他社より劣るのにただ価格だけが高ければ、市場からは当然ソッポを向かれてしまします。
ですが、いまだかつてどこにもない新製品や、ありそうでなかった新サービスであれば、自社で自由に価格設定ができるわけです。
例えば業界標準が、製品原価に対して販売価格は2倍だとしましょう。原価2,000円だと、販売価格は4,000円。この製品を年間1万個販売したと仮定しますと、業界標準に合わせれば4,000万円の売上、粗利は2,000万円。
自社設定で販売価格を5,000円としたな5,000万円の売上、粗利は3,000万円。売上で25%アップ、粗利は50%アップです。この1万個販売を3年継続できたなら売上差は3,000万ですが粗利も同じ3,000万円も変わるのです。この差、すごく大きくないですか?
さらに業界標準に合わせるという考えの時点で、大きな差別化や独自化がなされていない前提であるとすると、最初は定価の4,000円で売れていても、2年目、3年目と価格を下げないと徐々に売れなくなっていくでしょう。同じ販売数量を何とか維持できたとしても、売上も利益も下がっていきます。
自社設定できる製品の場合では、大きな差別化や独自化ができている前提ですので同業他社が簡単には真似できないものであるはずで、支持されている状況さえ作れれば、価格を下げて売る必要はまったくありません。
これは製造メーカーの考えでしょ?と言われそうですが、決してそうではありません。
iPhoneやMacを販売するアップル社は、自社工場を持っていないことは有名です。ブランドや製造を完全に支配、コントロールし、世界中の提携工場に部品や製品づくりを発注。工場を持たないファブレス経営と言われているもので、ユニクロや任天堂もそうですよね。
そして、商売の鉄則とも言われている近江商人の経営理念「売り手よし、買い手よし、世間よし=三方よし」と「利は元にあり」。
「値決めこそ経営」も、この「三方よし」と「利は元にあり」の上で成り立つもの。
どのようなビジネスも同じことは言えますが、ギフト通販ビジネスでも独自化を実現いただき、値決めの主導権を握ってもらい、安定した経営基盤となる仕組みへ発展させていかなければ、よき未来を築けないため、当社ではこの2つへ徹底的に落とし込んでいます。
・買い叩かれるような製品・商品・サービスには決してしない。
・たとえ自社工場がなく、外注であっても発注する側の立ち位置を持つ。
あなたの会社の製品は独自の値決めができていますか?
同業他社や、隣の青そうな芝生ばかりを見ていませんか?
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