後継経営者はなぜ求心力が下がるのか?その根本理由と打ち手とは?
親族内承継の場合、とかく創業者の子である「後継者」は批判にさらされることがあります。「後継者」は多くの場合、一般社員よりも早くから要職に就き、給料も高いことも一つの理由です。
批判の内容は中身が無いことも多く、古参の幹部社員から、七光りのボンボンだとか会長の操り人形だとか、血がつながっているだけで能力もないのに社長になっただとか、そのようなものです。
こうした傾向があると、後継経営者は孤独感を増すことでしょう。
そして、結果的に会社に対しても悪影響を及ぼすわけですが、今回は、この背景にある根本理由と打ち手について紹介します。
創業者の求心力は自然にあるもの
会社を引き継ぐ際、自身も含めてそこにいる社員はすべて先代に雇われています。
なかには「先代にはついてきたけれど、先代が指名した次の社長は認めない」という社員さえいます。
創業社長には、ある面においては理念は要らないとも考えています。
なぜなら、創業者そのものが理念であるし、求心力になるからです。
ですが残念ながら、後継経営者は創業者と同じようにはいきません。求心力を高めるための工夫が必要になります。
では後継経営者が求心力を高めるためにはどのような工夫をすべきなのでしょうか。
【打ち手】理念は3年以内につくり直す
先にも述べた通り、後継経営者そのものに創業者と同じだけの求心力を持つことは難しいと考えています。
「雇った恩義」がないというのは、求心力を持てない意外と大きな理由の一つです。
そこで後継経営者がすべき工夫として、「理念」に求心力を求め、組織運営をするということがあります。
私がおすすめしているのは、先代シンパの社員にも配慮をしつつ、承継後3年以内を目途に理念を変えることです。
いつまでも「先代はこうだった」と変化を受け入れない社員に対し、理念を再構築することにより新しい「ボス」は自分であることを誇示すべきです。
ここで大事なことは、先代から受け継いだ事業の本質を継承することと、先代を尊重しつつ自身の存在価値を過不足なく新体制の中で位置づけることです。
会社経営に人生をかける意味が実感できる
後継経営者としての経験を踏まえて申し上げれば、引き継いだ当初は、私自身「預かった会社」という意識が強い状態でした。
就任1年目に先代がつくった理念に「人財理念」を追加し、2年目には完全に理念をリニューアルしました。
理念の再構築により、自社により一層の愛着が湧いたとともに、更なる使命感と責任感を覚えました。
私個人の理念が会社の理念に反映されることにより、会社経営に人生をかける意味が実感でき、多少の困難ではブレない経営の軸が確立されたと感じています。
誰のどの指示に従うべきかを明確にする
会社に創業会長と現社長の2人がいると、どちらの言うことを聞くべきか悩むもの。
また、私が就任した当初は、社長が「NO」と言ったものを、先代である会長を取り込むことで自分を正当化しようとする者もいました。
理念を再構築することにより名実ともに新社長を社内外に表明することで、社員は誰のどの指示に従うべきかが明確になります。
また、理念の再構築という新たな一歩に立ち会った社員の中には、これまで以上の責任感が芽生えます。新体制で果たすべき役割をしっかりと認識し、より会社に誇りを持つことができるようになるのです。
承継イノベーション研究所について
承継イノベーション研究所というサイトを運営しています。
後継経営者が引き継いだ会社を次代に引き渡すためには、「承継イノベーション」を起こす必要があります。
そのための後継経営者の経営のヒントやポイントになることをお伝えしていますので、ご覧いただけると幸いです。
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