テレワーク時の社員マネジメントを放置している会社の末路
テレワーク時の社員マネジメントに困っていませんか?
先日、ある企業の経営幹部の方と話をしている時のことです。
テレワーク時に、どうも「社員がさぼっているのではないかと疑ってしまう」というのです。そのため、部下とのコミュニケーションに「疑念」が入ってしまうとのこと。
さらに、「さぼっているのではないか」と感じてしまう部下ほど、日ごろのコミュニケーションが希薄なため、まめに「報連相」をしてこないことにイライラしてしまうというのです。
自分自身の感情コントロールに、これまで以上に気を使っていると話されていました。
一方で、若手社員の方は、その多くが単身者のため、テレワーク時には在宅勤務で「全くのひとり」になってしまうのです。そのため、不安や孤独に悩まされたり、外的刺激が少なすぎて仕事のやる気を一気に失ってしまうという現象も起きているのです。
その結果、
・上下の人間関係がギスギスする
・マネジメント側の社員が疲弊する
・やる気のない社員が増える
・結果的に社員の休職や離職が増える
という問題にまで発展しているのです。
テレワーク時の社員マネジメントをしっかり行わず放置していると、社員の離職という問題まで引き起こしてしまうのです。
では、どうしたらよいのか。
「社員が離職してしまう」ことがないよう、テレワークにおける部下指導のポイントについてお伝えします。
具体的なポイントをお伝えする前に、大前提として覚えておいて欲しいことがあります。それは、そもそもテレワークでは、対面でのコミュケーションに比べてパソコンやスマホの画面上のやりとりだけでは、得られる情報も伝わる情報も少ないということです。
また、同じ職場で、つまり同じ場所で働いているのとは違い、目にする情報量、耳にする情報量が全く違います。さらに、コミュニケーションも減少するので、これまでのようなチームとして、そして会社としての一体感や連帯感を感じにくいのです。
だからこそ、やるべきことが3つあります。
会社のミッッション・ビジョンの共有
まず一つは、会社の方向性や、会社のミッッション・ビジョンを伝えるということです。
「会社方針」なども回覧だけで済ますのではなく、まず上司がチームに伝え、その後、チーム内でディスカションするなど時間をかけて把握してもらうことが重要です。
例えば、会社が新たなサービスをリリースしたような場合、その事実だけではなく、そのサービスを通じて会社は何を目指していくのかなど、理由や背景などを伝えられる範囲で共有するのが良いでしょう。
仕事の意義の再確認
さらに、社員ひとり一人が自らのミッションについて考えるきっかけを提供することです。
在宅勤務は外的刺激が少ない分、「ふと、自分はこのままで良いのだろうか」「この仕事はどんな意味があるのだろう」などと考えてしまいがちだからです。
そして人によっては、不安な気持ちが高じて「この仕事を続けていくのは無理だ」などと勝手な思い込みをしてしまう場合もあります。
在宅勤務だからこそ、「なぜこの仕事をするのか」、「仕事のやりがいは何か」、「顧客に、社会に、どんな貢献しているのか」「どんなお客様のどんな困りごとを解決できるのか」などをひとり一人考えてもらい、チーム内でディスカッションするのです。
未来のキャリアを考える機会を持つ
3つ目は、未来のキャリアを考える機会を持つということなのですが、これは、1on1面談をする中で、話題にすると良いでしょう。
目の前にある仕事だけにフォーカスするのではなく、それぞれが、将来、どうキャリアを積み重ねていきたいのかを定期的な面談で確認していくということです。
ここまで、3つのポイントをお伝えしてきました。
ですが、これらを行うためには、テレワーク時だけに関わらず、日ごろから密なコミュニケーション、そして良好な信頼関係を構築している必要があるわけです。
それらが希薄なままでは、上司からの働きかけも時間とともに「形骸化」してしまい、結局は根付かないままで終わりになる可能性が大きいものです。
だからこそ、経営陣は、日ごろからコミュニケーションを通じた社員育成や組織風土づくりに本腰を入れておかなければならないというわけです。
それが土台となるのです。土台づくりなしに、いくら外壁を綺麗に整えても、何か想定外の「力」が加わると脆く崩れてしまうでしょう。
この度の新型コロナウィルス感染拡大というのも、予想外の「力」だと捉えると、やはり今だからこそ真剣に、強固な頑丈な建物、つまり組織をつくるために「土台作り」をするべきなのです。
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