会社を伸ばす仕組み作りの極意
経営者として会社の仕組みを作ってゆくとは、現象的にどのようなことなのでしょうか。
私がお伝えしているのは、社員のチームを自律性のあるユニットに仕上げてゆく、ということです。ちょうどピタゴラスイッチのように、とあるインプットがあったらそれが確実なアウトプットにつながるようなイメージです。といっても、その実態は人間が構成するチームですから、仕組み作りのために求められるのは人間相手のケアに他なりません。具体的には、①目指すべき方向性を明示すること、②そのためのツールと使い方について全社員が理解すること、③ひたすらコミュニケーションを取ること、④評価をしっかり伝えることの4点に尽きます。
1.目指すべき方向性とは、社会の負託に応え、商機をつかみ、売り上げを伸ばしてゆけるような哲学、とも言える考え方のことです。例としては、環境ビジネスだとたとえばSDGsがそれに当たるのですが、コトバで理解はできても考え方として自らモノにした、と言える経営者はまだ多くない段階です。当社の支援先でも、心の底から「ウチの会社はSDGsのためにあるんだ!」と経営者が外連味なく言ってのけるレベルに達している会社はまだ片手で数えられるくらいにすぎません。少し時間をかけて自社の哲学を作り込んでゆくイメージになろうかと思います。
2.ツールとは、たとえば「サーキュラーエコノミー」に代表される商売の仕組みを意味します。どうやって循環のループを閉じるのか、そこで利益をどう担保するのか、規模の拡大はどうやればよいのか。ツールの特性をしっかりと理解してもらい、担当者が自律的にそのシステムを回せるようにします。他社の参加も必須となることから、少しずつ作り上げてゆくプロセスが重要となります。
3.コミュニケーションは、定期的・不定期的の両方が必要です。定期的なものとしては数字とそれ以外に分けて、数字だけでは見えない情報を必ず拾うようにします。効率性を追い求めると定期的なものが重視されがちですが、経営者が知っておくべき情報は定期的に発生してくれるわけではありません。不定期に起こる重要な出来事の情報を、いかにタイミングよくかつ正しく拾えるか。経営者の才覚はこのあたりに現れてきます。
4.そして評価をしっかりとできること。評価情報は当人にも上司にも、極力開示することが望ましいのですが、こちらもツールの完成度や経験値の蓄積につれて中身が見直されてゆくべき項目だと言えます。
これら4つの取り組みを、いずれも半年から数年かけて作り上げてゆくことで、たとえコロナ禍にあっても伸びてゆく会社の基礎を作ることができます。ポイントは、経営者としてぶれずにこのイメージを堅持できるかどうか、にかかっています。ぶれない経営者の取り組みを、当社は全力で応援しています。
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