部下の力を「最大化する評価」と 「最小化してしまう評価」の違い
皆さまは、従業員一人ひとりにどのような評価をしているでしょうか?
評価というと、会社からの人事評価が頭に浮かぶと思います。
企業としての評価基準を設けて「あるべき人材」に導くというのは、多くの企業が実施していることです。
それが有効に働くこともあるのですが、この評価結果により、メンバーによっては「正当な評価を受けていない」と、やる気を失っていることも事実です。
人事評価の本来の目的は、企業や組織の目標を達成するために、プラスのことは評価して讃え、マイナスのことは改善を求めることで、会社の求める人材に導くとともに、部下自身の成長を促すことにあります。
したがって、結果そのものではなく、成長への糧となる評価やフィードバックこそが重要なのです。
そして部下の成長に繫がる評価をするには、部下への「承認」が前提になければいけません。
まずは部下の良いことも、悪いことも上司が受け入れ、認めることが重要です。
逆に、「否定やダメ出し」を評価の前提にするリーダーは、「評価の良かった部下は頑張る」が、「評価の悪かった部下はやる気を失う」という結果を招きます。
結果的に、組織全体のパワーで考えると良くてプラスマイナスゼロ、むしろメンバー間の優劣がチームワークを乱し、マイナスに働くケースが多いのが実状です。
以前、あるジュエリーショップで店長からの評価が低いスタッフがいました。
評価が低い原因は、スタッフの営業成績の低迷にありました。
そのスタッフは、普段から店長の風当たりが強く、事務所でも元気がなく、やる気を失いかけていました。しかし、私が見る限りでは彼女の接客は決して悪くありませんでした。
そこで、私は店長にお願いをして、そのスタッフに個別にトレーニングをしたところ、半年で頭角を現し、前年の2倍もの営業成績をたたき出したのです。
これは、部下に対して教育も何もせずに、結果だけで低い評価をすることは正しい評価をしたとは言えない、ということの何よりの証拠と言えるでしょう。
このように、上司の評価が「部下を生かす」という観点で効果的なものになっているかどうかはとても重要です。
先ほども述べたように、効果的な評価をするためにリーダーが大切にすべきは、「部下への承認」です。承認には、大きく分けて3つの承認があります。
①結果承認…結果に対して認めること
②行動承認…結果に至るプロセスも認めること
③存在承認…存在すること自体を認めること
先のジュエリー店の店長は、そのスタッフに対して「結果承認」の観点でしか評価していなかったということが分かります。
これからの時代に、スタッフの入れ替えを繰り返して「結果を出す部下」だけを集めることは不可能でしょう。
つまり結果承認だけでは、すべての部下を承認する機会はいつまでたっても訪れません。
「承認」のハードルを下げて、「結果は出なかったけど、ここまでの過程はよく頑張ってくれた」という行動の承認、
「今日も会社に来てくれてありがとう」
「自分の部下でいてくれてありがとう」
といった存在の承認をすることが重要なのです。
あなたがリーダーとして部下を評価することは、大切なマネジメントのひとつです。
もちろん、あなたが思う部下の至らぬ点もたくさんあると思います。
しかし、結果だけで評価するのではなく、その過程、もっと言えばそのスタッフの存在自体を評価する。
それによってその部下はあなたの評価結果を受け入れ、たとえそれが低かったとしても成長の力に変えていってくれるようになります。そうなれば、部下は成長し、自ずと結果もついてくるはずです。
あなたの会社では、「従業員を生かす」評価をしていますか?
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