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経営者にとっての地図

SPECIAL

社内独立店開コンサルタント

株式会社ストアブレインコンサルティング

代表取締役 

経営コンサルタント。アパレル、小売、飲食チェーン指導などに強みを持ち、店長再生から店舗最盛へとつなげていく独自の「社内独立店開」手法を指導する専門家。
自らは店舗を持たない「販売・運営」に特化した経営スタイルに、多くの異業種経営者、店長が注目。路面店から百貨店、都心型SC、郊外型ショッピングモール…など、多様なチャネルで成果を上げ、店舗の強みを引き出す天才と称されている。

最近、創業間もない方々の支援をさせていただく機会が続きました。業種はさまざまですが、いくつかの共通点がありました。そのうちの一つは、大半の方が計画を立てずに「行き当たりばったり」の「出たとこ勝負」で創業し、そのまま何の策もない状態で数か月、長い場合は1年以上を無為に過ごしてしまっていることです。

もちろん創業時は思った通りにならないことも多く、計画を立てるよりは行動して‥となるのはわからなくもないです。あるいは、借入をしている場合は金融機関に創業計画書を提出しているため、それをもって「計画を立てている」気分になっている方もいるのではないでしょうか。

私の知る限り、金融機関に提出した創業計画書を後から見返す人は皆無です。提出した時点で終了。お金を借りるために形だけ作っていることが大半で、「そういえば作っていたかも…」と忘れている人も多いのが現実です。

繰り返しますが、創業時は誰でも思ったようにいかないものです。であれば、計画なんてちまちま考えるよりも、行動する方が重要なのは火を見るよりも明らかに思えます。特に創業間もない時期は日銭を稼がないと生活もままならなくなり、事業の継続どころではない状況に陥ります。とにかくがむしゃらに行動し、少しでも売上を増やし、少しでも早く事業を安定させるのは創業者のミッションともいえるでしょう。

ところが、そのがむしゃらな行動が冒頭のような「行き当たりばったり」の「出たとこ勝負」状態を引き起こし、周りが見えなくなり、何をすべきかがわからなくなり、もう策は尽きた‥と二進も三進もいかなくなる人が相当数出てきます。そして大抵の場合、これまで自分が何をやってきて結果どうなったのか、現状の整理もできていません。

土地勘のない場所に地図も持たずに出かけても、目的地にたどり着くのは難しいでしょう。自分が今どこにいるのか、把握するための「地図」といえるものが「経営計画」なのです。経営計画は、現状と計画の差を見える化し、さらに初心を思い出させてくれます。目標達成への軌道修正を図ることも容易になります。

一方で「計画通りにいかないから計画なんか立てても無駄」という経営者の方も見受けられます。一面正しそうな意見ですが、その様な会社はまず長続きしません。瞬発的な思い付き経営には再現性がないばかりか、たまたま上手くいくことで過信を生み、早かれ遅かれ必ず大きなミスにつながります。

しかもそのミスはすべて「別の何か」のせいで、学習することはありません。どこまで行っても自分の思い付きで、どこにいるのかもわからない状態なのです。上手くいくはずがありません。絶対に計画通りにいかないのがわかっているからこそ、そのギャップを把握し、成功に導くために必要なのものが経営計画なのです。

ちなみに、創業時に計画通りならないのと同様に、何年、何十年と事業を重ねても計画通りになることはありません。どんなに有能な経営者でも計画通りに経営するのは難しいのです。それが素人同然の創業者だった場合はなおさらでしょう。いずれにしても、そしてだからこそ経営者にとって「経営計画」は絶対的に必要なものといえます。

経営者の皆さん。まずは簡単なものでもいいので「経営計画」をつくりましょう。その効果は徐々にですが確実に経営を上向かせます。

 

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