会社の数字を理解する一番の方法
この1週間、多くの社長と決算書を一緒に確認しながらミーティングを行う中で、改めて思ったことがあります。それは、「数字が苦手な社長の圧倒的多さ」です。これまでも感じてはいましたが、それを再認識する1週間となりました。
そのレベルに差はあれど、体感では9割以上の社長は数字が苦手です。確かに、数字の羅列は見ただけでアレルギー反応が出るくらい面白みのない無機質なものです。私も社長の端くれとして15年程経営をしてきましたが、最初の5、6年は税理士さんに丸投げで、数字の把握は売上くらいなものでした。あとは面倒くさくてほとんど把握していませんでした。
私が数字を含めた経営を勉強するようになったのは創業6年目頃で、店舗数が5店舗、6店舗と増えてきたことで、経営資源のマネジメントが必要になってきたからです。2、3店舗までは勘と経験と度胸(いわゆるKKD)で何とかなります。しかしそれ以上は物理的に目が届きません。で、さすがに体系的な勉強をしないとマズいと思い、まずは販売士、次は中小企業診断士とステップアップしていく中で、徐々に数字の重要性が理解できました。
私が思う、社長が会社の数字の理解をする一番のメリットは、会社の未来を自分の判断で創造できることです。ちょっと抽象的な表現ですが、過去、現在を知ることで会社の特徴やクセがわかり、未来の売上予測、また目指す目標に向かってどれくらいのお金が必要なのかが可視化され、先手が打てるようになります。つまり不安が解消し、その分わくわくする未来志向になるのです。ですので世の社長の皆様にはぜひ数字の理解を進めてほしいのですが、なかなか腰が重く動かない方が多いのも事実。
私は会社の数字のハードルを下げるため、まずは社長を始め数字が苦手な方々に「基本的に決算書は足し算と引き算の集まり」だとお伝えしています。この点、結構知らない方も多く、ちょっと決算書への印象は変わるようです。
そして最も効果的なのが図解です。私が使わせてもらっているのは「お金のブロックパズル」で、これは西順一郎氏のSTRAC表に和仁達也氏が加筆引用した図になります。図解すると誰でも直感的にわかりやすく、実際に社長からも非常に好評です。
結論として、数字が苦手な方はいきなり決算書を見ない方がいいと思います。もっと数字が嫌いになるだけです。税務関係の書類も(というか行政関係の書類はすべて)フォーマットに全くセンスがありませんので、そのまま見ても頭に入ってこないでしょう。私も苦手です。目がチカチカしてきます。まったく誰が作っているのでしょうか。すみません。話がそれました。
社長の皆さん、まずは決算書なんて所詮足し算引き算の集まりであることを理解し、図を描いて確認するようにしましょう。それだけで会社の数字が見え、大半の不安は解消されます。
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