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『森のこびと』の仕事納め

SPECIAL

住宅・工務店コンサルタント

株式会社 家づくりの玉手箱

代表取締役 

住宅・工務店コンサルタント 。規格住宅を高付加価値化させ、選ばれる工務店となる独自の展開手法「シンボルハウス戦略」を指導する第一人者。
営業マンとして自分が欲しいと思わない住まいをお客様にお勧めする仕事に疑問を持ち、ある工務店でどうしても家を建てたくて転職、鹿児島へ 。15年間で173棟の住まいづくりをすまい手目線で担当。そこから編み出された、選ばれる工務店となる具体戦略を、悩める中小住宅会社ごとに実務指導中。

鹿児島のレアな早春風景

 

少しづつ朝明るくなるのが早くなってきました。
三寒四温を繰り返し、南国では春の陽光になってきました。

温暖な鹿児島に住んでいますが、ずっと暖かい訳ではありません。 平地とは少しだけ標高差がある場所なので、例年1月には雪が積もったりすることもあります。 冬が短いだけで、寒い時期にはそれなりに寒いのです。

鹿児島では冬の間も晴天の日が多く、太陽に勢いがあります。この時期、寒いのに結露していない窓から見る雪景色は最高です。雪が積もった2階のデッキを見ると、オルゴール(振動弁:ピアノの鍵盤に当たるところ)に見えてきたりします。なんでだろう?と考えてみると、うちのデッキは斜めになっていて板の長さが一枚ずつ違うからですね。(2階デッキの全貌はヴィンテージデッキの『修理レシピ』2をご覧ください)

↑霜が降りた葉っぱ(キラキラと別の植物のようです)

 

↑鹿児島の雪化粧した朝(屋根裏に早く朝が来ているのがよくわかります)

 

↑雪が積もるといつもオルゴールに見えてしまう2階デッキ(2階デッキの全貌はヴィンテージデッキの『修理レシピ』2をご覧ください)

 

短い間ですが、活躍してくれた薪ストーブもそろそろシーズン終了です。
『森のこびと』と呼ばれるお向かいのおじさんは、シーズン中は毎日のように使った分だけの薪を薪棚に補充してくれます。そうして「どんどん焚いて焚いてっ」といつも手振りをつけて言ってくれるのです。(詳しくは『森のこびと』と出会えた土地選び をご覧ください)

お言葉に甘えて今年もジャンジャン薪ストーブを焚きました。が、薪棚はやはり満タン状態です。

 

↑『森のこびと』は休むことなく薪棚をいっぱいにしてくれます

 

薪ストーブになごりを惜しむ

 

古い乾燥した薪を使い切るまでに上からどんどん載せてくれるものですから、中には乾燥しきっていない薪も混じっていたりします。水分が残っている薪はやはり燃えにくいので、空気を多めに入れながらガンガン燃やすことになります。そうすると、ストーブ本体の温度も高温になってきます。

薪を買っている頃は空気を絞ってケチケチじわじわ燃やしていたのですが、『森のこびと』のおかげで最近ではガンガン燃やしているので心配になって、薪ストーブの後ろの壁の一番熱くなる部分の温度を測ってみました。

 

⇅目いっぱい薪をくべた時の薪ストーブの後ろの壁の温度(60.3℃)

 

 

 

意外と温度は上がってはいませんでした。いつもは見ないぐらいの激しい炎で燃やし続けて、ドキドキしながら計りましたのでちょっと拍子抜けするしました。写っている白い壁の裏側が障子の戸袋になっていて空気層になっているのも効いているのかもしれません。

 

 

 

⇅大きな薪を投入して寝た翌日の朝の薪ストーブ本体の温度(40.7℃)

 

 

 

特に寒い冬の夜には、寝しなに大きな「丸太」を投入してから床につきます。そうすると、朝起きた時にストーブがまだほんのり暖かくてとても幸せな朝を迎えることができます。ケーキでもこの「丸太」のデザインで「ブッシュ・ド・ノエル」というのを見かけますが、フランス語でビュッシュ(ブッシュ)」は「薪(まき)」という意味で、「ノエル」は「クリスマス」を意味します。「ビュッシュ・ド・ノエル」はその名の通り 「クリスマスの薪」 となります。

なぜ「薪」の形になったかについてはいくつかお話があるそうで、これを聞いてからというものは割っていない丸太の薪が違ったものに見えてきたのです。

 

★かつて北欧では樫の薪を暖炉に燃やすと一年中無病息災でくらせるという神話からきたという説
★前年の冬の燃え残りの薪で作る灰は新しい1年の厄除けになるという伝説から、縁起のいい薪形になったという説
★キリストの誕生を祝った時に夜通し暖炉で薪を燃やしたことに由来しているという説
★貧しくて恋人へのクリスマスプレゼントも買えないある青年が、せめてもと薪の一束を恋人に贈ったというちょっとロマンチックな説

 

 

「ビュッシュ・ド・ノエル」でむかえる朝

 

「ビュッシュ・ド・ノエル」による薪ストーブの朝の予熱は、新しい薪にすぐに火を着けてくれます。気持ちがいいぐらいスッと火が着きます。朝イチに薪を足して、その場に特設机をつくって座り込んでみました。これが意外といい。冬の朝限定の臨時特等席がまた1箇所増えました。(でも、この絶妙ないごこちも次の冬が来るまでおあずけです)

 

↑朝の薪ストーブ前特設机(目の前の布は洋服をつくるためのリネンを洗って干しているところです)

 

実際に何年も薪ストーブと共に冬を過ごしていると、思いがけず色々な人や物や事に出会うことになりました。知らなくてもいいようなことも素敵な話のように思える、というようなことも増えてきた気がします。必ずしも温度や湿度が一定なのが豊かで居心地がいいということではないような気がしています。季節や時間による変化やゆらぎがもたらす「何か」が確かにあるように感じるのです。

『森のこびと』もそろそろ仕事納めです。
今シーズンもありがとうございます。次の冬もどうぞよろしく。

 

社長の会社では、お客様に提供する居心地がどこからやってくるのか、自信の生活体験の中で探っていますか?そのことをお客様やスタッフと共有する工夫をされているでしょうか?

 

 

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