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世界経済・日本経済を勉強するのは愚の骨頂

SPECIAL

ショールーム営業コンサルタント

株式会社バファローコンサルティング

代表取締役 

異色のショールーム革新経営コンサルタント。体感型ショールームの構築と独自のイベント活用型営業力強化法で、増員なしでも売上・利益2倍3倍化を実現させてしまう専門家。これまで営業現場30年以上の実務経験と100以上のショールームイベント指導で、売上伸長率150%という成功実例を次々と演出。

毎年1月から2月にかけて、業界や企業など多くの団体で新年賀詞交換会が開かれます。しかし今年は、コロナの影響で中止もしくは縮小しての開催が多くなっています。新年の大きなイベントであり、あいさつに登壇する人はだれか、どんな話をするか、また、同業他社やサプライチェーンの会社の人たちと情報交換、飲食するのも有意義であり楽しいものです。多くの企業が我慢を強いられている現状では致し方ないのですが、来年はコロナが終息し、元のように開催できることを願うばかりです。 

ところで、新年賀詞交換会に限らず「○○の集い」のようなパーティーに招待されて、あいさつに登壇する方は話し上手が多い印象です。そういう方は何かの公的な役職についたりしていますので、話し慣れているというか、話が上手いわけです。話題は世界経済、日本経済、地域経済、業界の動向など非常に幅広く、自分がいかに博識であるかをひけらかすように話す方もいます。 

まだコロナが騒がれる前、当社のクライアントの社長に招かれて、ある小さな業界のパーティーに行った時のことです。中小企業の社長が集まり、そこで数名の招待者があいさつに立たれました。話題はそれぞれでしたが、ある方が乾杯の前にあいさつに立ち、世界経済から業界の動向までを長々と話をされました。すると、すぐ隣の人から、

「おい、まだ喋ってるよ。早く終わらねえかな」

「いい加減にしろよ、ビールが温まっちゃうよ」

などと、周りに聞こえるような声で文句をつけ始めました。 

「こんな立派な挨拶ができる社長をつかまえて『早く終わらねえかな』はないだろう」と思う一方、超大企業の会長職で公的な仕事が主になっている方ならいざ知らず、中小企業の社長がこんな大きな話をしても・・・。 

中小企業の社長が世界経済・日本経済の動向、金融・為替・相場の話をしたら皆さんどう思うでしょう。「あ~、よく勉強している方だ」「これだけ経済に詳しければこの会社は大丈夫だ」などと思いますか?まさかそんな風に思う方はいないでしょう。 

その後パーティーは終盤になり、締めのあいさつで当社のクライアントの社長がこう話しました。

「私には経済の話は難しくてよく分かりませんが、そんなことよりも大切にしていることがあります」

「それは社員の顔を見ることです」 

うちは中小企業で、世界経済・日本経済の動きよりも、社員の動きのほうが大切であり、顔を見ていれば変化に気付くというのです。 

実はこの社長、以前は冒頭の方と同じく大きな経済の話をしていました。会社は辛うじて健全性を保ってはいたものの、社員との関係がぎくしゃくすることも多かったのです。経営者と社員の間に深い溝ができていたと社長は言います。大きな経済を知ることで会社は成長するものと思い込んでいて、社員の顔を見ていなかったのです。そのため一向に売り上げが伸びないし、社員との関係も改善しません。

「これではいけない、何とかしたい」との思いから、当社にお越しになられました。初めての面談で、社長の思いを素直に包み隠さず全てぶつけてもらいました。常に先頭に立ってリーダーシップを発揮し、死ぬ思いで会社をここまで成長させてきたその思いを吐き出してもらいました。社長の気持ちは十分よく分かります。その上で、もっと売り上げをあげ会社を成長させるためには何が必要なのか、どうすればいいのか、冷静になってじっくり考えてもらいました。

「先生、俺ちょっと間違っていたかもしれない」 

しばらくして、社長からそのような言葉が飛び出したのには面喰いましたが、これでもう大丈夫だと、確信とまではいかないまでも、そのように感じたものです。その後はトントンと割と順調にコンサルティングが進みました。社員の立場で考えてみる、自分の考えを社員に分かるようにかみ砕いて話してみる。社長は必至で頑張りました。 

そして今では、社長から進んで社員と対話するようになっています。経営者と社員の溝は埋まり、社員同士の対話も活発になり、チームワークが発揮されようになります。その結果、伸び悩んでいた売り上げが徐々に伸びていったのです。 

確かにミクロ経済はマクロ経済に大きく影響されます。大企業であろうと中小企業であろうとそこは同じです。しかし、影響を受ける度合いが違います。会社が小さければマクロ経済がどう動こうともやり方次第でどうにも変えられます。ところが、働いている社員には大きく影響されます。社員を見ず、放ったらしにすれば不満が噴出しても気が付きません。それで優秀な社員が辞めることになれば大変です。社員を甘やかすということを言っているのではありません。社員が働きやすく、力を発揮できる環境を作るべきだと言っているのです。 

博識をひけらかすために世界経済や日本経済を勉強するのは愚の骨頂。そんなことよりも社員を勉強すべきです。

どうやって勉強するか? 社員に教えてもらうんです。 

どうやって教えてもらうか? 社員と対話するんです。

どうやって対話するか? 社内研修、会議、ミーティング、日報、社長室で1対1。 

社員とのコミュニケーションが大切です。コミュニケーション組織を作らねばなりません。時間がない?あなたにとって最も大切な仕事を放っておくほどの仕事はないはずです。逃げているだけじゃないですか? 

このテーマは「中小企業向けコーポレートガバナンス導入プログラム」でコンサルティングします。中小企業経営者の本音や本能に迫るコンテンツのため、経営者にとっても当社にとっても非常に難しいプログラムですが、効果抜群。ショールーム営業を本当に強く長く続けていくためのアドバンストコースです。

 

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