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これからの若手経営者あるいは2代目に必要な要素―「勘」と「度胸」に加えて「マーケティング」「経営計画」「情報発信」が必須の時代―

SPECIAL

地方メディアの高度有効活用コンサルタント

株式会社メディアコネクション

代表取締役 

広告分野における地方メディアの高度有効活用を専門とするコンサルタント。東京在住中のマーケティングビジネス経営の経験と地方企業への経営革新支援ノウハウの融合させた、独自の「儲かるための広告戦略」を開発。自らも成功実践事例として、地方メディアを舞台に展開。

先日、私が経営する会計事務所の方に、飛び込みで来られたある年配の経営者のお話です。電話での事前アポイントも何もなしでのご訪問でしたので、少しびっくりさせられました。会計事務所への飛び込み訪問というのはかなり珍しいからです。たまたま私が事務所にいましたので、お話をうかがっているといろいろ面白いことに気づかされました。

社長さんのお話は次のようなものでした。

― 自分はこれまでがむしゃらに働いて、会社を経営してきた。幸い、後継者にも恵まれたのでこれから徐々に引き継いでいこうと思っている。自分の時代は勘と度胸で何とかなってきたが、これからはそうはいかない世の中になっていくだろう。ついては、息子には参謀役としてのパートナーがいた方がいいだろうと考えた。

そこで、まず信頼のおける会計事務所が必要だと思い、地元の知り合いに聞いたらこの事務所を紹介されたので、HP等で調べてみた。そうすると、なかなか面白そうな事務所だったので、今日こうやって訪ねてきた次第である。―

ざっとお聞きしたところ、上記のような事情でした。

もともと会社というのは、関西の方で経営されていて、こちらにも別会社を作って運営していきたいとのお話です。もちろん、本社の方にも担当の税理士さんはいらっしゃるようですが、別会社の方は地元の税理士の方がいいだろう、との判断で来られたとのことでした。

さて、お話をお伺いしていたなかで、面白いと感じたのは、会計事務所を参謀役として位置付けられていたことです。

事務所を選ぶとき「こちらの地元にはどんな事務所があるのか?」と、地元の方に聞かれたようです。

そのとき

「できれば、いろいろと幅広くアドバイスがもらえるようなタイプの事務所がいい。」

と条件を付けられたらしいのです。

その聞いた相手が、たまたま私の大学の後輩だったようで、私の事務所を紹介してくれたのです。

ここで、あらためて思ったのは、このコンサルティング会社を含め、普通の会計事務所より幅広く経営していて正解だったな、ということと、そういった特徴を「情報発信(アウトプット)」していてよかったな、ということです。

特に地方の場合、こういったコンセプトで経営している事務所は少ないので、今回のようなはっきりとした志向をお持ちの顧客には、必然的に指名をいただく機会が多くなります。おそらく、事務所のことは気に行っていただけたようですので、このお客さんとは長いお付き合いになると思います。

さて、会計事務所の方のお話はこれくらいにして、この社長さんが言われていた「参謀役が必要だ。」という点です。

これは、今まで中小企業の経営者とお付き合いしてきて必ず登場する、いわば古典的なテーマということになります。

即ち

「これまで、「勘」と「度胸」で何とかやってきたが、これからはそうはいかないだろう。」

という見立てのことです。

もちろん、事業を経営していく上で、どんな時代であっても「勘」や「度胸」は必要な要素ですが、昔に比べて格段に経済環境が厳しく複雑になった現在、それだけではとても乗り切っていけるものではありません。

それでは、これから長く経営に携わっていく若手の経営者には何が必要なのでしょうか。

それを、これまで私は「マーケティングと経営計画」と紹介してきました。

しかしこれからは、「勘」と「度胸」に代わって、というよりは正確には、それらに加えて「マーケティングと経営計画」が必須の時代になったと言いたいのです。

前述の「勘」の部分には「マーケティング」を加える必要があります。

「勘」は大事ですが、現代経営では「マーケティング」の裏付けがなくてはなりません。市場の動向を予測するには、マーケティング的な考え方とアプローチが必要です。「勘」だけに頼って「マーケティング」の裏付けがなければ、リスクが高すぎるのです。

「勘」といったいわば非科学的な要素と「マーケティング」という科学的な要素の融合がどうしても大事なのです。

また「度胸」の部分は「経営計画」と置き換えることができます。

もちろん、経営を続ける上で「度胸」が必要というか、かなり重要な決断を迫られる場面も多々でてきます。

ただそのとき、的確な「経営計画」があれば、かなり一か八かのギャンブル的な要素が解消されるのです。

「経営計画」は、これまでそれほど正確なものは作れませんでした。

そのほとんどが、実践とは無縁の「絵に描いた餅」だったのです。

しかし、近年、経営計画の手法がかなり進化してきて、ただ正確なだけでなく、より実践可能なものが作れるようになりました。

近代的な手法を取り入れた「経営計画」は必需品の時代になってきたのです。

私はこれまで、上記のように「現代経営には「マーケティング」と「経営計画」が必須である」と説いてきました。

しかし近年これに、さらに新しい要素が必要だと考えるようになりました。

私はこれらの要素に「情報発信(アウトプット)」を加えようと思っています。

特に「マーケティング」には「情報発信(アウトプット)」が必須といえましょう。

こちらから継続的な「情報発信(アウトプット)」を行なうことで、そのレスポンスを見て初めて「マーケティング」が可能になるからです。

市場動向をつかむためには、まずこちらから的確な「情報発信(アウトプット)」を行なう必要があるのです。

また「経営計画」は、かつては外に向かって発表するようなものではありませんでした。

しかし、現代はこれも「情報発信(アウトプット)」を通じて、金融機関など外部の利害関係者に打診を試みることで、より的確な内容に仕上げることができるのです。

つまり、ほぼすべてにおいてオープンマインドの時代になってきたのです。

冒頭の経営者が私の事務所を訪ねてこられたのも、事務所の「情報発信(アウトプット)」を見てのことでした。事務所について、なんの情報も得られていなければ、はたして訪ねてくるところまで実行されたかどうかはなんとも言えないところです。

現代は「マーケティング」と「経営計画」と「情報発信(アウトプット)」を駆使することで、むしろ「勘」と「度胸」は後からついてくるものかも知れません。

現代的な科学的アプローチで経営上の経験を積んで、そのキャリアがベースとなって、やがて「勘」や「度胸」が身についてくると考えるべきです。

昔に比べて、それくらい現代経済は複雑かつ難しくなっていると思います。

しかし、難度が高くなればなるほどやりがいもある、というものです。

これからの若手経営者あるいは2代目は、この困難なアプローチに果敢に挑戦してみてください。

 

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