財務不在経営が会社を潰す理由
当社は、あくまでも「同族会社専門」にこだわっています。それはなぜかというと、「同族会社」と「非同族会社」とでは、会社経営にまつわるお金の悩みの『根の深さ』に違いがあるからです。
もちろん非同族会社であっても、会社経営にまつわるお金の悩みは多々あることでしょうが、同族会社のオーナー社長が抱えている会社経営にまつわるお金の悩みとは、まったく比にならない…これが現実なのです。
それは、なぜでしょうか?
ひとことでいうと、同族会社のオーナー社長の場合、社長自身の個人の「財務」と、会社の「財務」が密接に絡み合っているからです。
ひとたび会社の「財務」が悪化すれば、すぐさま社長自身の個人の「財務」にも影響します。
逆に、社長個人の「財務」、あるいは、社長一族の「財務」が悪化すれば、会社の「財務」にも悪影響を及ぼします。
さらに、税金の問題でいえば、会社に関しては法人税等が課せられ、個人に関しては所得税等だけでなく、相続税等の問題もあります。
法律上の問題では、会社には会社法の縛りがあり、相続が起きたら民法の縛りもでてきます。それに、同族会社の場合は、親族を中心とした関係者による複雑な利害関係の絡みもあります。
しかも、これらの問題は、金額的なインパクトが少なくても数千万円、大きい時には億単位で波及しますから、相当慎重に、細部にわたって緻密に財務戦略を練っていく必要があるのです。
それにも関わらず、多くの同族会社には、「財務」という機能が存在しない「財務不在経営」の会社が多く存在します。
その結果、「売上が増えれば、潰れない会社になるはずだ…」「人を育てて組織づくりをすれば、会社は潰れない…」と勘違いしてしまうのです。
この間違いに気が付かず、売上を追い求めることだけに注力している会社は、「無理な売上拡大」や「過剰な投資」、「場当たり的な資金調達」や「間違った節税対策」を、知らず知らずのうちに繰り返してしまいます。
当然、そのような会社の財務体質は脆く、ほんの少しの衝撃であっという間に崩れてしまいますから、社長自身は日々お金のことで腐心し、社員や家族も漠然とした不安を抱えて過ごすことを余儀なくされてしまうのです。
もちろん売上を創るという行為は、事業を行う上で大切なことです。
しかし、社長が絶対に知っておかなければならないことは、「売上が増える」イコール「潰れない会社になる」というわけではない・・・という歴然たる事実なのです。
社長の仕事は、強く永く続く会社づくりをすることです。
もっといえば、会社の未来を創ることです。
あなたは、社長として、会社の未来をつくれていますか?
ダイヤモンド財務®コンサルタント 舘野 愛
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