コロナ禍こそ人材育成のチャンス
人間は保守的です。
変化のない日々が続けば、同じことを繰り返します。
何をやってもたいして変わらないと思っているから、変えようとはしません。
しかし、いまはコロナで環境が大きく変わりました。
大きな変化があれば、変わって行かざるを得ません。
しかし、コロナ禍においては変化の受け止め方に大きな違いが出ています。
ある店では、緊急事態宣言が出ていて、時短営業しているので、お客様はこない。
これはある種災害だから、行動を起こしてもどうしようもない。
いまは何もしないでじっと耐えていこうと考えています。
また、ある店ではじっとしていては破滅するだけだと考えて、行動を起こしています。
これまでならお客様が来てくれるのは当たり前、売上や利益は当たり前に出てくるものだと思っていたのです。
しかし、いまはお客様が大きく減少しています。
コロナでお客様が来るのは、当たり前でも何でもないことが、身に染みてわかったのです。
じゃあ、今の環境の中でも、どうしたら売上が上げられるだろうか?
どうしたら経費を抑えられるか?を考えなければなりません。
社長一人で考えるのには限界があります。
何人もよってたかって考えた方がいいアイデアが生まれます。
そこで、社長は社員と一緒に考えていこうと、考えました。
考えるためには、考えるための知識や情報が必要です。
そこで、社内の勉強会をスタートさせました。
まずは、数字の勉強からです。
売上、原価、粗利益、経費、営業利益など、簡単な損益計算表の構造からからはじめました。
単に計算式を教えるのではなく、売上が伸びるということはどういうことか、粗利益を増やすために何をしてきたか、を店の状況に合わせて考えていく勉強会です。
現在の会社の試算表も開示しました。
すると社員達にも「今のままでは、まずい」と危機感が伝わりました。
勉強会が終わったあとには危機感をもったものの、時間が経過するにつれて危機感が薄れていきます。
そこで2週間に1度のペースで勉強会を開くことにしました。
現状の会社の数値の開示はもちろんのこと、どうしたら売上を伸ばすことができるか、利益を増やすことができるかを社員に考えてもらう勉強会にしたのです。
当初は、社長の発言が多かったものの、次第に社員からも具体的な案が出てきました。
なかには、社員から突拍子のない意見も出ましたが、それも社長は否定しませんでした。
実行できそうな案が出れば早速店でやってみました。
それが少しでも売上・利益に貢献すれば、社員は益々やる気になります。
店にも活気が出てきて、商品のレベルも上がりました。
この店は、売上・利益も出前宅配を継続しており、勉強会の効果もあって、他の飲食業に比べれば赤字幅は非常に少なくなっています。
しかし、勉強会の効果はそれだけではありません。
勉強会をしたことで、社員の仕事に対する意識が変わったことが大きく影響をしています。
社長は言います。
「コロナがあったから、危機を感じて勉強会を始めたんです。
「もしも、コロナがなかったら、何も変わらなかったと思います。コロナの危機は、社員教育をするのにいいキッカケになりました」
「勉強会をしたことで、社員の意識も変わって成長しています。コロナが収まったら、今までとは違ったもっと店になるだろうと思います」
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