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隠れた価値の見つけ方

SPECIAL

社内独立店開コンサルタント

株式会社ストアブレインコンサルティング

代表取締役 

経営コンサルタント。アパレル、小売、飲食チェーン指導などに強みを持ち、店長再生から店舗最盛へとつなげていく独自の「社内独立店開」手法を指導する専門家。
自らは店舗を持たない「販売・運営」に特化した経営スタイルに、多くの異業種経営者、店長が注目。路面店から百貨店、都心型SC、郊外型ショッピングモール…など、多様なチャネルで成果を上げ、店舗の強みを引き出す天才と称されている。

先週、セミナーを受講された方の個別相談をお受けする機会がありました。製造業、建設業など多様な業種の経営者とお話をさせていただき、本当に様々なお困りごとをお聞きしました。

お困りごとの内容はそれぞれですが、時期的に「コロナ禍で減少した売上をカバーするために今後どうすればよいか?」というご相談が多い印象です。コロナ収束までの資金調達方法や、新たな事業を始めるにあたり、そもそも何をするか、補助金は使えるのか、どう集客するか等、会社ごとに異なる解決の方向性や打ち手を一緒に考えます。

面談の際はお一人お一人丁寧にヒアリングし、状況に応じた解決策を一緒に模索します。時間内に具体策が見つかることはほとんどなく、解決の方向性やヒントが見つかればいいほうでしょう(中には的外れな解決策を押し付ける先生業の方がいるようですが。自分の得意分野に持っていったり、何でも補助金を勧めたり‥)。

と、今回私がお伝えしたいのはそこではなくて、もっと根本的なところです。以前から経営者の方と面談する度に思っていたことでもあります。経営をしていくうえで致命的な問題です。それは‥  「経営者なのに自社の粗利額や粗利率を知らない」ことです。粗利とは、ごく簡単に言えば売上から原価(仕入れなど)を引いたものです。

私の知る限り、多くの中小零細企業は「売上至上主義」に汚染されています。売上を求めること自体は全く問題ありません。しかし、売上を取るために原価を考えず値引きしたり、利幅の薄い商品ばかりを販売したり、売れないことを恐れて値付けの時点から儲からない価格にしたり…  これでは売上は取れても、当期純利益はおろか営業利益段階でマイナス、ひどい場合は粗利(売上総利益)段階でマイナスになってしまいます。

「儲けの源泉」たる粗利を軽く見てしまうのは、経営者として失格です。適正な粗利が取れなければ、売上を取るためにどんなに頑張っても頑張っても利益は増えません。まさに貧乏暇なし。現場は疲弊し、借金だけが残ります。

「いやあ 俺は数字のことはわからないから」「今までこの価格だったので、値上げするのは顧客に悪い」「安くしないと他にとられる」「金儲けのためにこの仕事をしているんではない」という言葉の裏で、関係者の誰かにしわ寄せがきています。

要は経営者に覚悟がない。自分が提供する商品やサービスに自身がない。価値を感じていない。でもいいカッコだけはしたい。厳しい言い方になりましたが、経営者自身が確固たる自信を持つ商品であれば、どんな価格であれ顧客は買ってくれます(ぼったくりはダメ)。

ということで経営者の皆さん。まずは自社が提供する商品の価値を知りましょう。価値が分からなければ、適正価格は付けられません。価値を知るにはお客様に聞くのがセオリーです。一番良さを分かってくれています。ぜひ今すぐ、聞いてみてください。思ってもいない価値に気づくはずです。自分が当たり前だと思っていることには、自分で気が付けない価値が隠れているのです。

 

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