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「インフラ維持」を軽視するのは危険 企業のシステム化

鈴木純二
SPECIAL

顧客接点強化による成長型IT導入コンサルタント

ベルケンシステムズ株式会社

代表取締役 

顧客接点の強化を軸に、業績に直結するIT導入を指導するスペシャリスト。世に無駄なIT投資が横行するのと一線を画し、顧客の利便性向上、新規取引先、深耕開拓、利用促進…などを主眼に置いた、実益のIT活用と投資戦略を、各会社ごとに組み立てることで定評。

鈴木純二

「鈴木さん、システムのインフラ、って何ですか?そもそもお金が必要なものなんですか?」という質問を社長さん含む経営層から聞かれることがあります。「インフラ」という名前から中身を想像できないため、これにお金をかける理由も意味も納得できないのだろうと思います。ところが、インフラの健全な維持ができなかった場合、企業のシステムはたちまちリスクに晒されてしまいます。今回は、この「インフラにお金をかける意味」について論じてみます。

そもそも「システムにおけるインフラ」とは何でしょうか?実はあまり具体的に「インフラとはこれです」という定義ができていないのが実態です。充分な説明もできないものにお金をかける必要がある、と言い切ってしまうのは非常に無責任なことですね。自己流の表現になりますが、「インフラ」は以下の様に定義できます。

 

ハードウェアとしてのインフラ:ソフトウェアを動かすサーバーやネットワーク機器

場としてのインフラ:サーバーやネットワーク機器を設置する場所と、それを運営するための組織体制

ソフトウェアとしてのインフラ:サーバーやデータベース等の基本ソフトウェアそのものとその維持運営体制

通信のインフラ:通信回線そのものと、それを維持運営する通信会社

 

よく、「サーバーは一回購入すれば何年も使えますよね?」という質問と併せてインフラのことを聞かれたりしますが、その質問はそもそも間違いです。「システム系のインフラは、初期投資だけでなく、それを維持するための継続的な経費がかかるもの」だからです。電気に例えると次の様に定義できるでしょう。

 

  ハードウェア:発電所や変電所の設備

  場としてのインフラ:発電所や変電所の場所と維持体制

  通信のインフラ:送電網

 

誰しも「発電所をバンバン作れば日本の電力事情は維持できる」とは思いませんよね?上記のインフラが安定的に運営されていない場合、実に簡単に停電してしまいます。システムのインフラも全く同様で、「システムを安定的に動かすためのものがインフラ維持」なのです。

当社にご相談にいらっしゃる会社のうち、実に半分近くの会社が「昔導入したシステムの保守契約が切れている」状態です。これは、上記インフラそのものを維持するための基本的な経費まで絶ってしまっている、ということに他なりません。更にやっかいなことに、インフラの維持を絶ってしまっている危険性をきちんと理解されていない社長さんが多いということです。誰でも無料でインターネットを検索できる時代であるため、システムのインフラは無料なのだ、と勘違いされてしまうケースが多発している、ということかと理解しています。

どんなに高機能のソフトウェアであっても、それを動かすインフラが脆弱だと、必ずトラブルが発生します。インフラがあってもソフトがなければお金は無駄遣いに終わるわけですが、その真逆の・・・

 

  安定したインフラがあってこそ、システムの安定性が確保できる

 

という関係性なのです。

では、インフラにいくら経費をかければ良いのでしょうか?それは、そのシステムが司る業務の重要性と関連するので、一概に相場を言い切れません。システムが停止した際にどの程度のビジネスインパクトがあるのか?を分析した上で、その為の対策としてインフラ維持費用の予算感が出てきます。一点アドバイスを申し上げるとすれば、インフラを極端に重視しすぎると・・・

あまりにも盤石なインフラを構築したがゆえに、運用費用が肥大化している

その盤石性はほとんど金融機関並

ということになりかねません。会社の身の丈に合わせてインフラ維持の予算を考えるのがベターだと思います。

 

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