続けることの難しさを克服するには
コンサルタントとして、クライアントに新しい施策を提案すること自体は必ずしも難しい仕事ではありません。妥当性をわかりやすく説明し、納得してもらって実行に移すことも決して難しいことではないと思うのですが、では何が難しいかと言って、新しく採用した施策や習慣を長く安定的に続けてもらうことほど難しいことはないのではないかと思っています。
今までそれをしていなかったこと、には取るに足らないことでも何か理由があるわけで、どんな些末な理由であっても、もしくは非生産的な理由だったとしても、その理由についてしっかり対策が施されていないと、新しい施策がなにかのきっかけで滞り、結局元の木阿弥に返るという例は、人生日々枚挙にいとまがありません。ダイエット、禁煙、勉強その他も含め、何も企業経営に限った話ではないと思います。
コンサルタントに言われたことだけど、自分でもわかっているつもりだけど、でもやっぱりこうしてしまう、みたいな話は皆さんにもお心当たりがあるのではないでしょうか。
はっきり言って、一度でも続かなかった習慣はやりなおしても結局続きません。何度かトライしているうちに多少長持ちすることはあるかもしれませんが、安定的に行動変容を成功させることは極めて難しいと言わざるを得ません。端的に言いましょう、それは失敗だったのです。
ではどうすれば良いのか?ということですが、今日は「一度習慣化に失敗した時点で「視点を一段引き上げる」というテクニックが使えるかどうかで、失敗の効用がだいぶ違ってくる」ということをお伝えしたいと思います。
イメージとしては、下界であたふた走り回って失敗している自分を天上から見下ろしているもう一人の自分の視点に立つ、ということなのですが、この視点から習慣化を遮った原因が何だったのかを客観的に見直そうというものです。それはなかなか人に言いづらい話だったり、どうかすると恥ずかしい理由だったりするかもしれません。でも、物事には必ず原因があるわけで、それを客観的に認識できないとすると、解決は永遠に得られないでしょう。
逆に、天上から見下ろすような視点で自分を客観視できると、おぼろげにでも失敗と原因の因果関係を把握することができます。そうすると、長期の将来や代替わりのあとのことまでも、見通してモノを考えられるようになります。そしてそこまでできるようになると、新しい習慣の実践も不思議と苦にならなくなります。
意識して視点を上げること。いうほど簡単なことではないのですが、経営者たるもの、このくらいのことができなくてどうする、という意気込みで、ぜひこの手法をモノにしてください。そうすることでしか、習慣化の道は開けないのですから。
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