こんな時代だからこそ
私はこれまでコンサルタントとして、また会社の経営者として売上高数百万の個人事業主から数億の中小企業まで、様々な経営者と関わってきました。その中で気づいたことがあります。それは大半の経営者は確固たるビジョンを持っていないと言う事実です。
ビジョンとは、将来的にどうなりたいか、を言語化したものです。3年や5年後に会社としてどうなっているのか。何を目指すのか。社会に対して提供する価値や貢献度合い、売上規模、従業員、顧客や商品など様々な視点から理想の状態を言語化したものがビジョンです。
「確固たる」ビジョンを持っていない経営者でも、こちらから質問すると、何だかビジョンめいたものを話してくれます。「あーそれならこうなってたらいいよね」「こうなると面白いかも」… ただし、それはほとんどが思いつきであり、次に聞いたら違うことを言っています。つまり、全く本気ではないのです。
こうありたい、と目指す姿がないことで多くの弊害がもたらされます。その最たるものが「数字への無関心」です。ひどい場合は、社長なのに売上や利益をも把握していない。会社がどういう状態にあるかを理解していない社長の元では、社員も言わずもがな…
今はコロナ禍(騒動)が猛威を振るい、業種によっては先行きが不透明で希望を持てないかもしれません。ただそれでも、そんな時期だからこそ確固たるビジョンを持って事にあたらないと、誰も経営者にはついてきません。お客様も、当然社員も。
私が考える、経営者がやるべき仕事は「将来をつくること」です。それができなければ、誰かに道を譲り、雇われる身として再スタートを切ったほうがよいでしょう。厳しいことを言っているつもりはありません。ごく当たり前の事実であり、新陳代謝は世の常です。
経営者を続けるのならば、仮にビジョンがはっきりしなくても、少なくとも「会社の数字」くらいは把握してほしいところです。数字は疑いようのない事実であり(粉飾はダメ)、すべての基盤となります。まずは売上、粗利、利益(どの段階でも可)。最低でもこの3つを過去3年分答えられないようであれば、経営者失格です。
繰り返しますが、ビジョンがない、しかも数字も頭に入っていない経営者は驚くほど多く存在します。「前期の会社の年間売上は?」「粗利は?」「営業利益は?」と質問されて答えられない方。今からでも遅くはありません。すぐに決算書を用意して数字を確認していください。頭の中に刻み込んで、いつでも取り出せるようにしておきましょう。現状を数字で正確に知ることで、将来のビジョンがうっすらと見えてきます。
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