「なぜ、作業指示書モドキを使うと改革が進まず、業務量増え続けるのか?」
「先生、生産性が上がらなかった理由が良く分かりました。ここで取組むことがなかったら分からなかったと思います。これからも頑張ります」とあるチェーン経営者の一言です。
――――いえいえ、主要メンバーの皆さんが頑張ったからです。と申し上げました。
プロジェクトスタート時は、「売上をとるために手間がかかることもある」とか「競合が価格をだしてくるものでそれに合わせるとなると…」といった出来ない理由が、出てきましたが、今は、そういったことについて話を出される人はいなくなりました。
そもそも、生産性の高い売り方とは、人手をかけずに売ることです。それにはまずは最少人数でやってみて、そこに必要なものだけ足していく。という実にシンプルな考え方です。
こう申し上げますと「それは、分かっている」、「そうは言っても」という声が必ず出てくるものです。
実際に、具体的にどの作業ですか?といって、現状を拝見させていただくと、解決できるものがほとんどであることが見えてきます。と申しますのは、今、行われている業務が何という名称なのか?といった確認をして整理していく事で、利益になっていなかった作業を見極めることが出来るからです。
こういった手順をとならいまま、勤務シフト表を用いて、どこかの無料ソフトやどこかの企業からコピーして持ち出してきた「作業指示書モドキ」を作業指示書化としてもうまくいきません。とハッキリ申し上げています。
例えば、接客業務ひとつとっても、「売場のご案内、商品に関する質問、包装ラッピング、配送承り、苦情 等々」…と多岐に渡り、人によって捉え方が全く異なってきます。
人は、言葉によって意志や指示を伝え、コミュニケーションを取っていく。といった前提に立ち帰れば、業務名称とその意味が整理され、誰にでもでもわかるようにしてくことが出来ない企業は、作業指示書を組むことが出来ないのです。
先の会社がやったことは、まさにこの取り組みで、数カ月かけ、現状の作業用語を整理していったのです。
これは、業務改革を単なる人減らで終わらせることなく、下がったコストを何に活用するべきなのか?ということを目的に全て再設計するのに重要なことになります。
ご自身の店舗にいって「接客業務」とは何なのか?と店長に聞いてみてみていただきたいのですが、先の企業では、店舗業務の半分がこの「接客業務」で占めており、闇の業務と化していたのです。
闇の業務といっても、決して悪いことをしているわけではありません。何をやっているのか?本人しか見えていなかった業務という意味です。
「個人作業のやり方まで いちいちチェックなどできない」という声が聞こえてきそうですが、
売上対比13%以上掛かかっている人件費=「個人作業」であり、毎年上昇する単価分含め、人時総数を下げる戦略がない限り、高コスト構造は変えることは出来ない。とハッキリ申し上げています。
この言葉に発奮し、先の企業が調べあげ見えてきたのは、「品切れ」「価格間違え」「特注」の3大問い合わせ事項が「接客」としてカウントされていたということでした。つまり、品切れと価格間違えは 明らかに企業側に起因していたことから、まずはそれを是正することで、必要人時を減らす戦略をとったのです。
最終的には「接客」業務は、レジのサービスカウンターだけということに決まり、これによって、個人判断の見えにくい業務時間は減りました。そして、そこで余った人時の一部を、毎日の決まった時間で手直しに引き当てたことで、売場コンディションが上がり売上も上がったのです。
個人任せの作業を長年続けてやっていると、誰もがマイペースでやろうとするため、生産性は落ちます。その証拠に、残業の多い人に、「時間内に収めて帰るように」指示しても、残業をやり続けるのは。その典型的事例です
大事なことは、仕事内容に注目することであり、その中で、非効率業業務を会社として取り上げ、簡素化、やり方手順の見直しをかけ作業量を減らすということになります。
冒頭企業の社長曰く「うちは運が良かった この取り組みが出来て」そういっていただくのは、ありがたい限りですが、やっておられるのは、それを率いておられる 社長とプロジェクトチームの皆さんであることに変わりはありません。
それを、自社のものとし伸び続ける企業であってもらうことが、真の目的であるからです。
さあ、次にその儲かる手法を手にし、成功を勝取るのはあなたの番です。
コラムの更新をお知らせします!
コラムはいかがでしたか? 下記よりメールアドレスをご登録いただくと、更新時にご案内をお届けします(解除は随時可能です)。ぜひ、ご登録ください。