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今ある商品で新市場を獲る! “商品リニューアル”の具体策

SPECIAL

商品リニューアルコンサルタント

株式会社りぼんコンサルティング

代表取締役 

商品リニューアルに特化した専門コンサルタント。「商品リニューアルこそ、中小企業にとって真の経営戦略である」という信念のもと、商品の「蘇らせ」「再活性化」「新展開」…など、事業戦略にまで高める独自の手法に、多くの経営者から注目を集める第一人者。常にマーケティング目線によって描きだされるリニューアル戦略は、ユニークかつ唯一無二の価値を提供することで定評。1969 年生まれ、日本大学芸術学部文芸学科卒。

2020年もあと10日ほどで明けます。「時代が大きく変わる」とお伝えし続けた1年となりました。そして変化のスピードは速く、わたしたちはすでに「新しい時代」を生きはじめています。日々の暮らしはすでに新しい習慣が浸透しはじめています。

例えばふだん、うっかり「マスク」をしないで買い物に行けば、自分に違和感を感じるようになります。マスクをしていないことの「気恥ずかしさ」や「落ち着かなさ」は、コロナ禍以前にはなかったことです。また「マスクをしている時とはずした時の顔とのギャップ」が話題になることもありました。

東京の繁華街では、クリスマスイルミネーションが夜の8時までということです。が、そこに違和感を覚えない心の働きがあります。「クリスマス」といえば〇〇。時代の流れに合わせて、〇〇は変化してゆきましたが、華やかな思い出とともにあることは間違いないです。ラグジュアリーなホテルを予約して、外食を楽しむような時代もありました。けれど今年はクリスマスケーキの予約が伸びています。外からお家へ家族が戻っています。

外食の歴史をたどれば、1970年の大阪万博に合わせて日本初のファーストフード店「ケンタッキーフライドチキン」がパビリオンに出店しました。そして同じ年、日本初のファミリーレストラン「すかいらーく」が登場しました。この年こそが外食産業元年です。その後、好景気に合わせて店舗が増え外食を楽しむことが日常化しました。

半世紀で一回りしたところでコロナ禍。再び「お家」のなかで「食」の喜びや楽しみを分かち合う時間が戻ってきました。産業としては変化を余儀なくされていますが、今生活者は「巣ごもり消費=家ナカ消費」を謳歌しはじめています。

先日関わったスーパーマーケットの生活者の方々のインタビューでは、コロナ禍を転機に、新しいライフスタイルを粛々と模索し、システム化している生活行動がみてとれました。わたしたち経営者や企業の思い込みはどこ吹く風、それぞれに自分を楽しませる買い物やお家での過ごし方を見つけています。試行錯誤や模索しながらも、生活者の新しい毎日はすでに始まっていると実感させるものでした。

こうした中、12月14日配信の朝日新聞デジタルが「地球上の人工物量、生物量を上回ったかも… 英科学誌」という記事を配信していました。数日後には朝日新聞の朝刊にも掲載されていました。

「人工物量〉生物量」という表現ができます。コンクリートやプラスチックなど地球上で人間がつくり出したものの総重量(人工物量)が、植物や動物などの総重量(生物量)を初めて上回ったかもしれない、ということをイスラエルの研究チームが9日付の英科学誌ネイチャーに発表したのです。

たとえば20世紀初頭の人工物量は生物量のわずか3%程度だったそうです。第2次世界大戦後、都市開発などで人工物量が急増。一方、生物量は森林伐採や土地利用の変化などで減少。この2020年に、地球上の人工物量が生物量である11兆トンを上回ったようだと伝えています。

このニュースよりも早く、わたしたちはレジ袋を持参したり、紙製ストローを使うようになったり、すでに「地球への負荷」を意識せざるを得ない暮らしを受け入れました。

生活者の適応力は想像を超えます。エコ活動に“お得”を求めて、スーパーヤオコーの「リサイクルステーション」に週に一度は通い、ペットボトルや新聞を持ち込んで「ポイント」と交換することを楽しんでいます。

ウォーキング目的とし、家から離れたところにあるパン屋さんに行き行列に並びます。その店は地元産の小麦、天然酵母にこだわっていてる店です。また、手に届く範囲でオーガニックや地産地消にこだわった食材、地球に負荷をかけない商品を探して入手します。地元で手に入らなければお取り寄せをし、2週間に一度の宅配をワクワクしながら待っています。

眉間にシワをよせることなく、肩の力を抜いて変化を受け容れ変わってゆく生活者。そもそも、わたしたち日本人は春夏秋冬という四季のある島国で暮らし、太古から自然と一体感をもって生活してきました。

俳人の高浜虚子の代表的な俳句に、「明易(あけやす)や花鳥諷詠南無阿弥陀」というものがあります。身近な「自然」を己の信仰とした句であり、「地球」を感じながら暮らしていることを感じさせます。自然と一体感をもって暮らしてきたわたしたちにとって、「人工物量〉生物量」は、何をもたらすのでしょう。

わずか一二年ほど前には「モノやサービスがあふれている時代。生活者は、商品サービスに飽き飽きている」とお伝えしていました。尖ったコンセプトの商品やサービスの商品リニューアルが主流でした。「ものすごく〇〇〇〇」といったコピーで表現され、特別感のある商品に生まれ変わることが求められていました。

コロナになって「生涯顧客化」とか「ファンづくり」といったキーワードが躍り出ることもありましたが、そもそも自社のファンの心模様が変わっているかもしれません。新しい人生を歩み始めているかもしれないのです。

コロナを経た今、わたしたちは何に飢えているのでしょうか。もうすでに始まっている“新しい生活”に気がついていますでしょうか? 自社のファンの人生が変わってしまったことに気づいていますか? そして、新しい暮らしの中に息づく喜びや不安に気づくことができているでしょうか? そのサインを正しく、そして楽しくとらえているでしょうか?

以上が、2021年以降の自社の明暗を分かつ基礎的なポイントになります。2021年の準備は整っておられますか? しっかりと考えるために、自社の現状をしっかりと俯瞰し、自社の軌道をリニューアルしていきましょう。

▼自社を俯瞰し、2021年の羅針盤に▼

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