「なぜ、毎年増益出来るのか?そこには○○があるからです。それは!?」
「先生 うちは、売上予算はたてないんです。立てても達成できないので・・・・」とある企業の社長さんの一言です。
――――では、何を目標にやってこられたのでしょうか?
「売上前年比です」
――――とすると、コロナ特需の来年は、前年割れ見込みになると思うのですが
「そうなんです、目標をどう決めればいいものかと…」
なるほど、そのお気持ちとてもよく理解できます。前職時代も長年同じ問題を抱えていたからです。
前職の企業の遠い親戚にプロ野球の球団があって、そのチームが優勝するたびに大セールをやることで売上をつくっていました。野球チームが勝つことを祈って、赤字の商品をさらに売るという、今から考えるととんでもないことを続けた結果、ある日ホントに利益が出なくなる時はやってきました。その後、実質破たん状態にいくまで時間はかかりませんでした。
予算など立ててもいかないことが分かっていっても、従業員や株主への説明責任があるなかで「売上拡大」という呪縛は益々自らのハードルを上げることになっていきました。
試行錯誤を繰り返した結果、「売上」だけでなくコストの柱となる「人時」という2つの視点で目標を設定することで、はじめて、自分たちは何をすべきなのか?ということが見えるようになったということです。
目標指標となる人時売上とは、売上を人時で割ったものですが、言う間でもなく売上と人時の両予算があることで作ることが前提となります。
これを どのレベルにもっていくかで、自分たちで実現させていくべき企業未来像を描くわけですが、まず、今の人時売上がどのくらいなのか掌握し、仮にそれが何倍になったら会社はどうなるか?ということを考えていくようにします。
この思考の変換が出来るようになると、目標達成のために、何が必要で、どういった手順ですすめていかなくてはならないか?ということ考えることが、楽しくなりそれぞれのもっているものを実現させることで将来像が描けるようになります。
例えば、人時売上が2割り増えると、新店投資もできますし、既存店投資、商品開発投資、システム投資ができるようになります。3割増えれば、ネット事業プラットフォーム構築、そのためのM&A、労働時間の短縮、社員業績賞与の増額など、これまでやりたくてもできなかったことも決して夢ではなくなります。
売上はコントロールすることは出来ませんが、そのブレ幅を事前に察知することで、それに合わせ人時は調整することができるものだからです。
実際に、お手伝いさせてただいている企業でも「人事異動で慣れていない売上がいかない」とか「人が入れ替わったばかりで売上が伸び悩む」といった発言は、出なくなくなり、売上の変化に影響を受けずに、当初プラン通り、毎年、利益を増やし続けています。
このように、売上に関係なく、店舗で複雑に入り組んでいた業務のムダを省き、簡素化させていくことで、成長軌道に乗せることが出来るという事です。
なぜ、成長企業は、毎年利益を増やすことができるのか?それは「人が入れ替わる前提」で人を使う仕組みをもっているからなのです。
ネット通販の台頭、キャシュレス化と買い物に対するムダが無くなり、それがあたりまえの時代、売り手である小売企業が社内でムダを抱える余裕はすでになくなっています。
大事なことは、今までのように、ムダを包含したまま、現状カテゴリーで売上拡大を目指すことから早く脱却し収益構造をかえることです。
頑張っていきましょう!応援してます!