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なぜ今「心を燃やす」ことが求められているのか?

SPECIAL

商品リニューアルコンサルタント

株式会社りぼんコンサルティング

代表取締役 

商品リニューアルに特化した専門コンサルタント。「商品リニューアルこそ、中小企業にとって真の経営戦略である」という信念のもと、商品の「蘇らせ」「再活性化」「新展開」…など、事業戦略にまで高める独自の手法に、多くの経営者から注目を集める第一人者。常にマーケティング目線によって描きだされるリニューアル戦略は、ユニークかつ唯一無二の価値を提供することで定評。1969 年生まれ、日本大学芸術学部文芸学科卒。

人間の欲望がおし拡げる世界

人の脳とテクノロジーがつながる世界がすぐそこまで来ています。わたくしどもは数年にわたるであろう“コロナ禍”は、その未来を迎えるための準備期間と捉えています。巣ごもり化、非接触化、物をもたない「レス化」時代の幕開けが2020年であったと定義しています。

もちろん目の前の課題である感染症対策、医療崩壊、失業や自死などを回避できるよう、自社でできることを考え実践することが求められています。その上で新しい一年を迎える今、自身で直感した「未来」または「ビジョン」から逆算した、2021年の計画を静かに思い描く時間が必要不可欠です。

人間の進化は「欲」によって推し進められてきました。ひとの欲望には限りがありません。欲望は無制限です。わたしたちの欲望を押し拡げ、表現した物、それが「商品」や「サービス」です。この辺りのことは、マーシャル・マクルーハン著の「メディア論―人間の拡張の諸相」(みすず書房)に詳しく書いてあります。今から30年前の学生時代に恩師からすすめられ読んだ本ですが、わたくしにとってその後の道を決めた一冊です。

人間のロボット化

「メディア」とはもともとmedium(メディウム)の複数形です。「媒体」「霊媒」などの意味があります。人間の不満や不快をきっかけに、それを解決したいと思う「欲求」「欲望」「期待」が生まれます。そして、その不満を解消する“仲立ち”となるものこそが、商品でありサービスです。例えば先人たちの「遠くに飛んでいる野鳥を観察したい」という欲望が双眼鏡を生んでいます。

その延長線上で視たとき、最近のニュースでたいへん衝撃的だったのが1210日に米国CNNが報じていたものです。それは、【人体改造受けた「超人兵士」、フランス軍倫理委が容認】というものです。CNNによれば、フランス軍が軍の倫理委員会の報告を受け、身体能力を増強した「拡張兵士」の開発を許可する方針を打ち出した、としています。

今月の8日に公表されたフランス軍倫理委員会の報告書では、「医療措置や義肢、装置の埋め込みなどによる体力、認知力、知覚力、精神力の増強について検討。これによって兵士が兵器システムと交信して所在場所を突き止めたり、同僚の兵士と連絡を取ったりできるとした。ほかにも考えられる介入措置として、苦痛やストレス、疲労を防ぐための医療措置や、兵士が捕虜にされた場合に精神力を高める薬物にも言及・・・」という内容です。

この記事より少し前の119日のネットニュースで、【ロボットが「痛み」を感じて自己修復する時代がもうすぐそこに…。シンガポールの大学が開発に成功】というニュースも結びつきます。シンガポール・南洋理工大学(NTU)の研究チームが、痛みを感知し、損傷した際に自ら処置を可能とする人工知能(AI)およびロボット工学技術を開発することに成功した、ということです。

そして今朝の日経新聞も「DX=デジタルトランスフォーメーション」に関する広告が連綿と出ていました。「DX」花盛りです。DXとは【ITの浸透が、人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させる」という概念・・・おおむね「企業がテクノロジー(IT)を利用して事業の業績や対象範囲を根底から変化させる」という意味合いで用いられる】とウィキペディアが説明しています。

パンデミックは予行練習

上記の流れから想像してみれば、「人間の生活をあらゆる面で良い方向に変化させる」最終形は何か? それは、人間の脳にテクノロジーがアクセスしてくることで、そちらの方向に進んでゆく意思が読み取ることができます。人間のロボット化、脳にチップを埋め込んで、脳の神経回路を通して直感的につながる世界へと進んでいこうとしているのです。

近い将来に「脳インプラント」が拡がって、パソコンやスマートフォンといったITデバイスに依存しない世界になっていく。そして、さらに想像してゆけば、人間の欲望が拡がった果ての究極のDXとは「心」のオンライン化にあると直感します。意思疎通が心の中でできるようになり、テレパシーが当たり前になって行く。肉体さえも必要のない世界、肉体寿命に依存しない世界を目指す欲望です。

テクノロジーの進化は、人間に欲望があるかぎり止まることはありません。「心のオンライン化」へと進む中で、わたしたち経営者はパラダイムシフトしなければなりません。考え方やモノの見方を変えて新しいステージに進むことが求められています。そして、生き方の態度、「人間とは何か」ということについて、深く考え、自社の哲学を創ってゆくことが要請されています。

巣ごもりによるオンラインライフ、遠隔医療、輸送需要、地球寿命、宇宙への欲求、物理的な質量のあるモノ、肉体がなくなる世界、「レス」の世界に向かっていくとき、自社の商品サービスが生活者の幸せにどう関わってゆくことができるか。生活者の喜びを創造することができるのか。新年を迎えるにあたって早急に考えたいビジョンです。なぜならコロナ禍で変化のスピードが早く、進化までの時間が短縮されているからです。

おちついて考えるために、頭の中で「宇宙カレンダー」をつくってみましょう。宇宙の年齢は138億年です。この138億年を一年に凝縮した「宇宙カレンダー」が、あなたの目の前にあります。

カレンダーをめくってみましょう。1月1日、その日が宇宙の誕生日です。そして111日が銀河系誕生の日です。地球の誕生は、春を飛び越して、夏の終わり831日です。そして師走。しかも大晦日、12312048分にやっと人類が誕生します。キリストの誕生が1231235956秒です。宇宙カレンダーからみれば、人類はまだ始まったばかりなのです。

2021年は「プリミティブな心」がキーワード

人の一生を80年とすれば、宇宙の歴史から見ると、0.1秒となります。カレンダーにも刻まれないほんの一瞬がわたしたちの寿命なのです。

そう考えれば、未来に不安を感じたり、憂いたり、あるいは過去を嘆くことに意味があるでしょうか。過去にしがみつくことにどれほどの価値があるのでしょう。それよりも大事なことは、人の幸福、喜びのために「今」なにをしていくのか。自社の目指す豊かさとはどんな世界なのか。SFのような想像を超える未来を目前に、自社の商品サービスの在り方をしっかりと定義することが求められています

心を燃やす。それがわたくしたち今を生きる人間に与えられたパワーだと信じています。誰にも何にも乗っ取られていない、この融通無碍なこの心を燃やす。これがわたしたちがこの世に生きている証なのです。

心を燃やすのはデータではありません。わたしたち自身の思い。自社への思い、商品サービスへの思い、人間への思い・・・。だれにも握られていない「思い」こそが心を燃やすのです。この当たり前の素晴らしさをかみしめ、泥臭く、自由に、わたしたちの心を、強く強く動かしていきましょう! 心を燃やすこと。縁あってこの世に存在している0.1秒の命を、だれにも管理されることのない心を燃やし、良き年を迎えていきましょう!

 

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