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数字を読む ― 3億1,000万人 ―

白川博司
SPECIAL

通信販売コンサルタント

株式会社四方事務所

代表 

通販戦略なくして事業の成長はない! 20年間にわたり、300社以上の通販立ち上げに携わってきたプロコンサルタントが、経営者のための通販視点とこれからの事業発展の重要戦略について提示。

この数字は、2020 年の東南アジア6カ国のEC 利用者数である(米フェイスブック+コンサルタント会社ベイン・アンド・カンパニー調査)。

この調査報告書によると、インドネシア・マレーシア・フィリピン・シンガポール・タイ・ベトナム6カ国のEC利用者は、今年末までに前年比11%増の約3億1,000 万人に到達する見通しで、東南アジアでECの利用が急拡大している。

以前の予測では2025 年に達すると見込んでいた水準に、5年前倒しで到達することになり、新型コロナの影響でECで買い物をする消費者が急増していることが背景にある。

とくに生鮮食品や料理宅配サービスの利用が増加し、「買い物の主要チャネルはEC」と回答した人が、前年の30%から41%に大幅に拡大。東南アジアにおいても、消費者の購買行動が大きく変化していることが窺える。

このような市場の拡大を受けてアリババグループは、10 月末から東南アジア最大のショッピングサイト「LAZADA(ラザダ)」における日本企業の越境EC 進出を支援するサービスを開始した。

東南アジア6カ国で展開しているラザダは、2016 年にアリババグループが経営権を取得。アマゾンの存在しない東南アジアで、“アジアのアマゾン”と称されており、年間のアクティブユーザー数は、約8,000 万人に達している。

この支援サービスは、グローバルでECを展開するアリババグループの基盤を活用し、日本企業の商品を東南アジアの消費者に提供するための仕組みをワンストップで整えている。

まず出品者は、ラザダ経由で注文が入った後、千葉のアリババグループの物流センターに商品を送り、各国の税関や現地配送会社などを経て、ラザダが消費者に配送する流れで、そのリードタイムは3 週間となっている。

アリババグループによると、この支援サービスに対し、コロナ禍で国内に過剰在庫を抱える多くのメーカーが関心を寄せているという。

このラザダ出品時の価格設定については、日本販売価格の1.2 倍から1.5倍に設定しても十分に売れるはずである。

いよいよ中国に次ぐマーケットと言われている同地域のEC 市場にアクセスできるチャンスが到来した。

 

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