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やり方次第で激変するWEB会議の満足度(環境編)

鈴木純二
SPECIAL

顧客接点強化による成長型IT導入コンサルタント

ベルケンシステムズ株式会社

代表取締役 

顧客接点の強化を軸に、業績に直結するIT導入を指導するスペシャリスト。世に無駄なIT投資が横行するのと一線を画し、顧客の利便性向上、新規取引先、深耕開拓、利用促進…などを主眼に置いた、実益のIT活用と投資戦略を、各会社ごとに組み立てることで定評。

鈴木純二

新型コロナの時代になるかなり前から「鈴木さんとのWEB会議って凄く自然ですね」といくつかお褒めの言葉を頂いていました。思い返せば7年近く前に起業した頃からずっとWEB会議の品質には拘ってきたのでそれなりの自負はありましたが、WEB会議のビギナーが大量に発生し、変に偏った「WEB会議指南書」の様なコンテンツも多数流れている現状もありますので、今回は皆さんにだけ少し実務寄りの話をしたいと思います。

いくつもの失敗を経て体得したノウハウがあるのですが、今回は「環境編」です。必要最低限のものはきちんとそろえましょうというお話。ちなみに次回は「運営ノウハウ編」を考えてますので、コラム2つがセット、とお考えください。

まず、WEB会議たるもの、基本的には以下の3要素が必須条件となります。

  • 充分高速で安定したネットワーク
  • 高品位な映像作り
  • 高品位な音声

それぞれ解説してみましょう。

ネットワーク

まず「携帯回線でなんとかしよう」という考えは捨てるべきです。更に「カフェのWIFIに頼ろう」も同じくだめです。ネットワークは「上り方向」と「下り方向」の二つの要素があります。携帯やカフェのWIFIは、これら2方向のネットワーク速度を全く担保できないので、不安定だとお考えください。(5Gならいいでしょ?みたいな突っ込みは202012月の現段階ではお控え頂きたく…) 

できれば有線のネットワークでその先は光ファイバーであることが好ましいです。更に、ネットワークの速度を定期的に測定するようにしましょう。検索サイトで「インターネット速度テスト」といったキーワードで検索すれば、速度測定サイトがいくつもヒットします。

どれを使っても良いと思いますが、上り下り両方向の速度を測定し、「数百Kビット/秒程度しか出ない」などという環境ではないことを確認することをお勧めします。カフェやコンビニのWIFIはものすごく低速なことがあることも私は経験済みです。特に上り方向については極端に遅いことがありますのでご注意を。

 

映像

大まかに言えば、「画質」と「照明」、「構図」を適切に保つべきです。画質確保のためには4K解像度のカメラで、マニュアルでピントと露出・ホワイトバランスを合わせられるカメラが必要です。一番簡単で確実なのは4Kビデオカメラかデジタル一眼レフで、USBに映像を出せる機能が付いたものを三脚で固定してしまうのが良いと思います。

なお、上級テクニックにはなりますが、ビデオスイッチャーという機械を使い、複数のカメラを切り替えて使える様にする方法もかなり有効です。私は自分の姿撮影用にデジタル一眼を、ホワイトボードをアップにする為にハイビジョンカメラを、という2台のカメラをスイッチャーで切り替えるようにしています。これによって、参加者は私がホワイトボードに書いている姿そのものをリアルタイムで把握できるため、その場に参加しているような臨場感を味わえます。

なお、照明については特にプロの方から「絶対に守るべき照明の方法」といったタイトルでいくつも記事が出ていますが、俳優でもない人にはそこまで拘る必要は無いと思います。ただ、表情が充分に見えない、とか、色温度が青に偏っていて不健康そうに見える、という状態では参加者に無意識のうちに不安を与えるので、最低限の工夫は必要です。当社のオフィスでは偶然天井灯がLEDスポットライトだったので、その向きを調整して照明代わりにしています。

なお、どうしても携帯回線を使わざるを得ない時には、早々に映像を諦めて音声のみの会議に切り替える、と言うことも一つの選択肢です。

 

音声

最大のポイントで、最もお金をかけるべきところです。ノートPCのマイクとスピーカーもかなり良くなってきていますが、問題はマイクです。無指向性のマイクが使われている場合、背景音を拾ってしまうことが多くあります。カフェで参加している人のマイクが周囲の音を拾いすぎて、会議どころではない、という経験をされた方も多いと思いますが、音がだめだと極端に参加者にストレスをかけてしまうので、マイクは是非良いモノを使うようにするべきです。

当社では日本の音響メーカーが数年前から販売している会議用スピーカー・アレイマイクを使っています。そこそこのお値段で、5万円ほどしますが臨場感は抜群です。なお、テレビアナウンサーのように服の襟に付けるラベリアマイクも良いと思いますが、それでもまともなものはやはり数万円します。

良い環境を整えないと良いWEB会議はできません。参加者にストレスをかけることなく、スムーズにクールに会議を成功させる。これはアフターコロナ時代の必須要件になると私は思っています。「使っている機材を見せてくれ」ということであれば個別にご連絡ください。(次回に続く)

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