社長と会社の成長がズレたら
世の中には様々なタイプの経営者がいます。すべてが論理的で計画通りに実行するタイプ、その場の感情で勢いに任せて行動するタイプ、人からの助言通りに素直に実行するタイプ‥もちろんこれは傾向と言うだけで、一人の中にいくつもの特徴が存在します。日によって、あるいは時間によって特徴が変わることもあります。ただ、基本的な形はあり、例えば私(一応経営者)は、私は感情に任せて、というよりは計画立てて実行するタイプかな…と思っています。
さて、今回のコラムでは別に性格診断をしようと思っているのではありません。社長が持つ性質が経営にどのような影響を与えるのかを見ていきたいと思います。
冒頭では様々なタイプの経営者がいるとはいいましたが、私の経験上、感情的、直感型の経営者の方が多い印象です。つまり自分が好きか嫌いか、自分がしたいかしたくないかで判断する人達です。この場合、大抵周りは振り回されています。朝令暮改は当たり前といった感じですね。ただし、私は人が持つタイプに良し悪しというものはなく、得意不得意があるだけだと考えています。
直感でグイグイ行くバイタリティは経営者として必要な性質だと思います。これは特に創業間もない会社にとって、混乱の中で清濁併せ呑みながら道なき道を走り、形をつくっていくフェーズでは絶対的に必要な性質です。実際、創業社長には非常に多いタイプです。
ところが、このタイプが足を引っ張ることもあります。会社が創業の混乱から抜け出し、安定成長、あるいは成熟期に入るフェーズです。このフェーズではある程度予測がつきやすいことから、どちらかと言えば論理的に戦略および計画を立て、実践していく力が必要です。しかし、創業社長の多くはこれが苦手です。直感で不要な事業に手を出すことがままあります。「昔は社内にもっと活気があった」と実はうまくいっているのに社内の変革をしようともします(悪気はありません)。
ワンマン社長に振り回される幹部や社員‥中小企業の多くはこんな状態になっているのではないでしょうか。この状態の多くは、創業期には必要だったワンマン体制が会社の成長とともに合わなくなってきていることが要因です(成長していなければ社長の能力が‥)。
理想としては、直感型社長と論理型社長が交互に経営することではないでしょうか。ただ、そんなにうまく人材がいるわけでもなく、現実的には社長が会社とともに成長し、経営センスを磨きながら、統治方法を変えていくことが解決策となるでしょう。
そのためには、社内の人間だけでは心もとありません。視野狭窄になり、裸の王様になる恐れがあります。可能であれば社外の第三者の知識、知恵、経験を活用する方法を取りましょう。いわゆる経営参謀です。特に直感型の社長にとっては役に立つ存在となり、経営のかじ取りが格段にしやすくなるでしょう。自分に合った参謀役を見つけることは、あなたの想像以上に会社の将来にも影響を及ぼします。
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